盆栽の手入れ-潅水                                         なおの趣味の園芸
潅水は、乾いたらやるが鉄則です
盆栽の乾き具合は、季節・置き場所・鉢の大きさ・鉢の形・鉢と木との大きさの割合・用土・鉢の種類・樹種によって全く違います。また、樹種によって乾燥に強いものや湿気を好むものなど色々あります。下記の表は、あくまで目安です。
  3月下旬〜4月 5月から9月 10月 11月 12月〜2月
松柏類 1日1回 1日1回〜2回 1日1回 2日に1回 3日に1回
落葉広葉樹 1日2回 1日2回〜3回 1日1回 2日に1回 1週間に1回
常緑広葉樹 1日2回 1日2回〜3回 1日1回〜2回 1日1回 3日に1回
小品盆栽 1日2回〜3回 1日3回〜4回 1日2回〜3回 1日1回〜2回 2日に1回

松柏類の中でも、杉・真柏・蝦夷松は。水を多めに五葉松は少なめにします。

 また、培養中の若木は、潅水回数を増やします。盆栽は、一般に玉肥を置くので、潅水回数が増えると言うことは、肥料も多く地中に浸透します。完成樹の場合には、枝が間伸びしたり葉が大きくなるのを防ぐため潅水は少なめにします。

素焼き鉢→駄音鉢→陶器の鉢→磁器の鉢の順で乾きにくくなります。
また、用土が小さいほど乾きにくく、砂より赤玉土や,鹿沼土は乾きにくくなります。また、鉢が浅いほど乾きやすくなります。1日1回水をやるのでも、朝潅水する場合と夕方潅水する場合もちがいがでます。
朝やれば、すぐ日が差して乾きますが、夕方なら、翌朝まで湿ったままです。夕方水をやると葉が大きくなり、締りがなくなるので、春は、なるべく朝に水を掛けたほうが良いでしょう。

鉢ががらがらに乾いている場合には、水を吸いにくくなっている場合が多いので、水の入ったバケツに鉢ごと30分ほど入れておきます。如雨露で潅水する場合には1回水を掻けた後、10分くらいしてまた水を掻けます。これを2回水といいいます。鉢に根が回ってしまっている場合には、1回の潅水では鉢の表面だけ湿り中まで染み込みにくくなっているからです。植え替えたばかりの場合はすぐに水が染み込むので1回だけでかまいません。

水の温度は、気温と同じ方が良く、大きな瓶などに水をためておいて如雨露でかけるのが理想的です。如雨露は、多少高くても小さい穴が多くあいているものを買いましょう。潅水は水をかけるだけではありません。水をかけると同時に虫がついていないかなど、盆栽の状態をチェックする時間でもあります。ただ現実的には、溜めおきの水を如雨露でかけられる人は少ないでしょう。水道から直接ノズルを使って水をかける人が一番多いと思います。夏に水をかけるときホースの中の水がお湯になっている場合があるので、必ず水温を確認してからかけるようにしましょう。
また、気温の高い日中に水をやってはいけないと言う人がいますが、それは、観葉植物の場合で、盆栽は、日中でも頭から水をかけます。そうしないと夏場は水が持ちません。頭から水をかけることによって棚場の気温も低くなります。

サラリーマンの場合、夏場の水遣りには、自動潅水装置をつけることを強く勧めます。盆栽の場合、朝晩の水遣りだけでは、どうしても不足します。午後3時ごろに水をかける必要があります。水もちゃんとやっている、土も良い土を使っている、日当たりも、風通しも良い、肥料も適度にやっている。虫や病気もない。それなのに葉の色が今一つさえないし、新芽の伸びも悪い。こういう場合は、水が不足している場合が多ものです。私の場合は、自動潅水装置をつけてから、盆栽の生育が格段に良くなりました。ただ、鉢個別の水の調整がしにくいのでどうしても多潅水になってしまいます。

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