肥料について              なおの趣味の園芸
肥料が少なくて枯らすことはまずありません。初心者は、早く大きくなそうと肥料を多くやり過ぎて枯らすことがよくあります。特に鉢植えの場合は、肥料あたりしやすいので、肥料の袋に書いてある説明書をよく読んで、肥料をやり過ぎないようにしましょう
肥料のやりすぎは、根腐のもとです。
肥料の三要素とは
肥料の中でも特に重要な要素を肥料の三要素といいます。窒素・燐酸・カリのことをいい、アルファベットでN・P・Kと表示します。化成肥料の袋の表面に 大きく5-6-4 などと書いてある場合には、窒素5% 燐酸 6% カリ 4%が含まれていることを表します。
 窒素 (N)  葉や茎を大きくします。窒素分が多すぎると軟弱になり病気にかかりやすくなります。また、花芽もつきにくくなりますのでやりすぎに注意します。雨などで流出しやすい成分です。魚粕や油粕に多く含まれます。

燐酸 (P)

花や実を大きくする。生育の初期に特に必要で、元肥に重点にします。骨粉や溶成燐肥・鶏糞に多く含まれています。

カリ (K)

根や茎や葉を丈夫にし、耐病性を高めます。草木灰に多く含まれています。

中量要素 三要素ほどではないが、それなりに必要要素  

 カルシウム(Ca)

酸性を中和するために使う消石灰に大量に含まれています。また、コウモリや海鳥の糞の堆積物であるグアノにも多く含まれています。

 マグネシウム(Mg)   苦土ともいいます。通常は、苦土石灰を使います。
 硫黄(S)  

微量要素 
通常、肥料としては、与えることはありません。ただ、微量ですが必ず必要です。

鉄(Fe)

マンガン(Mn)

ホウ素(B)

亜鉛(Zn)

モリブデン(Mo)

 

銅(Cu)

塩素(Cl)

 

 

 

ここで大袋とは、18L〜20Lのものです。

有機質肥料・原料が植物や動物に由来するものです。いわゆる天然の肥料です。

油粕

菜種油の絞り粕。一般と圧搾絞りの二種類 価格は、20キロで900円程度、圧搾絞りは、価格は高いが、油分が多く効き目も穏やかだといわれる。もっとも一般的な肥料で、燐酸分がやや少ないので、花物や実物を育てるときには、骨粉を3割くらい混ぜて使います。盆栽や鉢植用の玉肥として売られている肥料の主成分は油粕です。なるべく発酵済の油粕の方が臭いも少なく効果も早いです。

鶏糞

燐酸分が多く値段が安い、大袋で100円〜300円。最近は、発酵させた商品が販売されており、臭いも少なくなりました。他の有機質肥料より肥料あたりしやすいので、根から離してやります。元肥と土の全面に混ぜる場合には、1u当たり1kgを定植する1ヶ月前に施すと肥料当たりが緩和されます。また、肥料では珍しくアルカリ性です。

魚粕

鰯などの魚油を絞った粕。有機肥料の中では、肥料成分が多い。カリ分がないので、草木灰と混ぜて使うと良い。値段は有機肥料の中ではかなり高く園芸店やホームセンターではあまり売っていません。猫に食べられることがあります。

骨粉

燐酸分が特に多い肥料。遅効性で主に元肥に用いる。過燐酸石灰になって植物に吸収されると言われています。単独で用いるより、油粕や堆肥と混ぜると良い速効性がないので、草木灰や過燐酸石灰と混ぜると良いでしょう。価格は高いが、肥料成分も多い。BSE問題がクローズアップされてからは、骨粉を1300度の高温で焼成した骨灰が売られています。

米糠

発酵するときに高い熱を出します。燐酸分の多い安価な肥料、園芸店には一般に売っていません。お米屋さんや精米所で販売しています。腐葉土や堆肥を作るときに混合します。 

藁灰(草木灰)

 一般に市販されてはいません。カリ分が多い即効性のあるアルカリ性ですので、酸性を中和するのに使います。腐敗防止の効果があるので、ジャガイモなどを植え付けるとき切り口につけたりします。アルカリ性なので、硫安や過燐酸石灰などと混合すると効果がなくなりますので、化学肥料と混ぜる場合には、1週間以上前に用土に混ぜて置きます。バーベキューの時の木炭の灰を保存しておいて使っています。

牛糞堆肥 牛糞堆肥として販売されている。牛舎に敷いた鋸屑を発行させたもので、他の有機質肥料に比べ肥料分が少ないので肥料あたりしにくい、土に混ぜて使い腐葉土の代用とする。価格は比較的安く、大袋で300円〜400円くらい。農協系のホームセンターでは、かなり安い値段で販売されているものがあります。発酵したものはほとんど臭いはしません。
樹皮堆肥
(バーク堆肥)
普通、腐葉土の代用品として使います。腐葉土より価格が安く品質が安定しているものが多く、最近は値段がかなりやすくなりました。肥料分と言うよりは、用土です。
カニ殻 一般にズワイガニの殻を小さく砕いたものが売られています。一般のホームセンターにはあまりないので通信販売が便利です。他の肥料に比べるとやや高いですが、チキン・キトサンの成分が、放線菌の栄養になり病気が発生しにくくなると言われます。N/P/Kの比率は、油粕と似ています。

グアノ

 海鳥(マリングアノ)やコウモリ(バットグアノ)の糞が長年にわたって堆積し燐鉱石化したもの、一般に燐酸分が多く遅効性で肥料あたりしにくい。珊瑚礁の洞窟に群集している姫コウモリの糞の堆積物バットグアノと呼ばれ高級肥料で、1kg1000円前後で販売されている。小袋だと高いが20kgだと2000円ほどで売られている。
また、雨の少ない地域で産するものは、窒素分が多く残っているので窒素グアノといいます。

苦土石灰

土壌の酸性の中和のために使います。苦土とはマグネシウムのことです。通常1uあたり湯のみ茶碗1杯ほどど施します。 やりすぎると、葉が黄色くなるクロロシスと言う状態になるのでやりすぎに注意します。化学肥料と同時にやると化学反応をおこし、肥料の効果がなくなるので、石灰をやってから2週間以上してから化学肥料をやる必要があります。アルカリ分は、50%前後

 消石灰  水酸化カルシウムのこと。アルカリ分65%前後でカルシウムの補給と酸度を中和するのに用います。
 有機石灰  卵の殻や貝殻が原料。消石灰や苦土石灰に比べ穏やかに効きますので、化学肥料と同時にやることができます。アルカリ分45%前後。微量要素も多く含む
 キラエース  

化学肥料 化学的に作られた肥料で天然の肥料に比べ濃度が高く速効性があるのが特徴です。肥料あたりを起こしやすいのでやりすぎに注意します。安価で畑で野菜栽培などに使います。天然の肥料と比べ臭いや虫の発生がないですが、土質を悪くします。。

 尿素  白い粒状の状態で販売されています。成分が窒素分だけなので、一般的な家庭園芸で使うことはほとんどありません。根頭癌種病に効果があるといわれています。
 硫安  硫酸アンモニウムです。これも、成分が窒素分だけなので、一般的な家庭園芸で使うことはほとんどありません。酸性で土質を悪化させる言われています。
 過燐酸石灰  灰色の粉末または、粒状で販売されています。過燐酸石灰は酸性の燐酸肥料でが土の中で中性になるので土を酸化させる心配がないと言われています。水溶性燐酸17%、硫酸カルシュウム60%を含みます。
 溶成燐肥 略して「ようりん」と言います。 リン鉱石に蛇紋岩等の苦土と珪酸を含む鉱物を混合し、高温で熔融したのち冷却粉砕砕したものです。原料の種類により緑色、黒褐色、灰色のガラス状の粉末です。扱いやすくするため 粒状に加工したものがあります。リン酸、苦土、石灰、けい酸が主成分で、原料にマンガン鉱またはホウ砂を加えたものはBMようりんと呼ばれます。ここでは化学肥料の中に入れていますが、有機農産物適合(有機JAS)肥料だそうです。粉末のものは、角があって素手で扱うと皮膚に食い込むことがあるので、手袋をしてあつかいます。
水溶性ではないので効果に時間がかかりますが、長く効きます元肥として土に混入します。アルカリ性ですのでさつきなど酸性を好む植物には不向きです。
硫酸カリ    硫酸カリウムは、水に溶けやすい速効性のカリ肥料で、土壌に保持されるので元肥にも追肥にも向きます。
 塩化カリ  塩化カリウムは、土壌を酸性にしやすい、安価なカリ肥料
 化成肥料
配合肥料
 上記などの肥料を配合した化学肥料です。N/P/Kの割合のバランスがとれたものを使います。一般に肥料の濃度が濃く即効性の物が多いのでやりすぎに注意します。

ハイポネックス

カリ分の多い早効性肥料。通常1000倍に薄めて液肥として使います。蘭の無菌培養にも用いられます。肥料の中では高価であり、粉末の他に原液もありますが、成分は違います。割高なので私は粉末しか使ったことがありません。花壇には、値段が高いので使ったことがありません。鉢植用として使っています。挿し芽苗の活着時点での追肥に最適です。

マグァンプk

燐酸分が多い緩効性の肥料、大粒・小粒・微粒あり2年から半年くらい効果があります。ハイポネックスと併用すると他の肥料は、施しなくてもかなりの植物がよく育ちます。この肥料は、植土に混ぜて使う元肥専用の肥料です。直接根に触れても問題なく、N-P-K-Mgは、6-40-6-15 普通の草花や野菜で 300g/u プランター 60g 15cm鉢 10gの量を使います。価格が高いので、花壇や畑に使うのはもったいないです。

 マグァンプU早効き  8-20-8-8 +微量要素 20kgの大袋で販売されている。
元肥として土に混合して使います。
用土1Lあたり1〜3gを混合します。プラグトレイは、1〜1.5g

 エヌピーKマグ  マグァンプKと成分や特性が似ている肥料。N-P-K-Mgは、6-40-6-17 で
マグアンプKより2割ほど安い価格で販売されていましたが、最近は販売されていないようです。
 長効き365K  マグァンプKの類似品で、コメリで販売されている。5-36-5-15 価格は、3割ほど安い。
   
 ガーデニングエードボール  効果が半年ほど持続する遅効性肥料。N-P-K-Ca =11-19-8-3 花や実を楽しむ草花用。通常、植土に混ぜて使いますが、追肥としても使うこともできます。
 IB化成 緩効性の肥料。N-P-K 10:10:10 で 価格も安いので鉢物や野菜など色々使えます。
 タマネギエース  タマネギの元肥用の肥料ですが、秋植え球根に広く使えます。
また、夏の果菜類にも効果的です
アンモニア性窒素 11%
く溶性りん肥    25
内水溶性リン酸  19
水溶性カリ     10

 

 

肥料の成分表

有機質肥料の場合は、種類により誤差が大きいので、正確には購入する袋書いてある表示を確認してください。

 

窒素(N)

燐酸(P)

カリ(K)

 

 

窒素(N)

燐酸(P)

カリ(K)

鰯粕

8.5

6.0

 

硫安

21.0

− 

鰊粕

10.0

5.0

 

尿素

46.0

 

 

大豆粕

6.2

1.0

1.5

 

硝安

 

 

 

菜種粕

5.4

2.5

1.0

 

過燐酸石灰

 

20.0

 

綿実粕

5.6

2.5

1.3

 

溶性燐肥

 

20.0

 

胡麻粕

6.0

2.5

1.0

 

硫酸カリ

 

 

50.0 

米糠

2.0

3.8

1.5

 

 塩化カリ

 

 

 60

骨粉

4.2

20.0

 

 

 

 

鶏糞

2.9

3.1

0.6

 

 

 

 

 

草木灰

1.7

5.3

 

 

 

 

 

籾殻

0.6

0.2

0.4

 

 

 

 

 



肥料の混合可否(清和肥料工業さんのサイト)
肥料の混合可否(神奈川県のサイト)

 

肥料の形状に分類
 液肥  水に溶かしてやる肥料。粉末状の物を通常1000倍に薄めて潅水代わりにやるものが多い。原液といって液状のものもある。即効性があるが、効果は長続きしない。潅水代わりにやれば、手間が省ける。
状・粒状の肥料 化学肥料は、すぐに効くものが多く、有機肥料は、1週間くらいしないと効果が表れない。液肥と玉肥の中間の効き目。畑などに散布するのに向く。
玉肥 油粕・骨粉・魚粕・米ぬかなどの有機質の肥料を発酵させて、団子状に丸めたもの。盆栽によく使われる。即効性はないが、潅水時に少しづつ解けて効く。効果の期間は、通常1ヶ月〜2ヶ月くらい。主に、盆栽など鉢物に使う。同じ成分でも粉状の肥料に比べ価格は高い物が多い。最近は中国からの輸入物の安くて良いものがある。

 緩効性化成肥料とは、一般に化成肥料は、有機質肥料に比べ即効性があるものが多いですが、肥料にワックス処理をするなどして、肥料成分が少しづつ溶け出すようにした肥料や、肥料そのものが水に溶けにくい成分でできているものです。効果の期間は、3ヶ月〜2年くらいと肥料の種類により幅が広いので肥料の説明書をよく読んでください。価格は他の肥料に比べかなり高めですが肥料の濃度が高いので、成分量からすれば、少し割高くらいです。。この手の肥料は、根に直接触れるところにやっても問題ないものが多く元肥として土壌に混ぜ込みます。
 
 肥料のやり方
まず、肥料は、根から離してやります。土に混ぜる場合でも、直接根に触れない少し離れたところに置きます。新しく苗木を植えた場合、苗木に土のついていない苗木の場合は、肥料は、根に触れないようにします。
地植えの場合は、雨で肥料が流れないように土に少し埋めます。有機肥料の未発酵のものやるときも臭いがしたりウジが発生したりするので、土に埋めるようにします。


鉢植の草花にやる場合
鉢やプランターに植え付けるときに元肥として骨粉や溶成燐肥・バッドグアノ・などの有機質肥料やマグアンプKや エヌピーKマグなどの元肥用の化成肥料を65cmプランターなら50gほど、5号鉢なら5gほどを用土とよく混ぜ合わせます。
すでに鉢植を購入した場合には、ハイポネックスなどの液肥を規定の倍率に薄め、2週間に1回ほど与えるか、油粕の玉肥等を鉢の表面に置けば、潅水のつど、少しずつ溶けます。

元肥

植物を植える前にあらかじめ土に混ぜておく肥料で、有機質肥料や緩効性の化学肥料を与えます。特に球根植物の場合、燐酸分の多い元肥を入れておくと球根が大きくなります。
作物から少し離れたところに埋め込む場合と、
肥料を土全体に混ぜ込む場合があります。有機質肥料を土全体に混ぜ込む場合には、必ず発酵した物を使います。

追肥

植物を植えた後,成長に応じて施す肥料です。速効性肥料と緩効性肥料を組み合わせて与えます

お礼肥

花木や果樹の開花後や収穫後に、植物の回復を図るために速効性の肥料を与えます

寒 肥

春の成長のために樹木の成長が休止している冬期に施す、緩効性の肥料を与えます

置 肥

鉢土の表面におく肥料、緩効性の肥料を与えます。油粕の玉肥が一般的

止め肥 開花前、最後に与える肥料のことをいいます。「花は水で咲かせる」といいます。大菊など開花時点で肥料が多いと、花腐れをおこしたり、花弁が捩れたりする場合があります。

葉面撒布

肥料は本来根から吸収されますが、葉からも微量ですが吸収されるそうです。根が弱っている場合や、肥料切れて葉が黄色くなっている場合、液肥を葉面撒布すると効果があるといわれます。農薬を撒布するとき、尿素の1000倍液と砂糖の500倍液で農薬を撒布すると、葉焼けを防ぎ植物の生育が良くなるという意見があります。

 
   

  未発酵の肥料を与えるとき
安価なので、油粕や米糠の未発酵の肥料を花壇や庭にやる場合には、私は、牛糞堆肥と半々に混ぜています。牛糞堆肥には、発酵するための菌がたくさんいるし、粒子が大きく空気が通りやすいので、発酵がしやすくなります。
未発酵の肥料は、植物の根を痛めますので、植物から離して施します。

発酵肥料の作り方
大きなポリ袋に、有機肥料( 油粕・骨粉・米糠・魚粕など )2に対し水1の割合で混ぜ、発泡スチロールの魚箱等にいれる。発酵促進剤は、あれば入れたほうが良いでしょう。翌日になると、温度が上がり発酵が始まっているのが分かります。最低1日に1回はかき混ぜ1週間ぐらいすると、乾燥するので袋などに入れて保存する。毎日かき混ぜないと、上部はすぐ乾燥し下部は、腐敗し悪臭を放します。玉肥を作る場合には水を加えて玉状にし日陰で乾燥させます。が崩れやすいので、値段は高くなりますが、圧搾絞りの油粕を使ったほうが良いでしょう。

最近は、発酵済みの玉肥が、安く売られているので、手間を考えれば買った方が早いでしょう。

肥料の保管

基本的に直射日光や雨が当たらない場所に保管します。
袋に入った肥料を物置になどで保管するとき、開封する前は、重ねることも出来ますが、開封後は結構場所をとり物置がかたずきません。ペットボトルに肥料を入れて保管するとすっきり片付きます。それで、肥料をペットボトルに保管するために、ペットボトルロートを作ってみました。


 

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