浄化槽の貯水槽への再利用(雨水利用による水道代節約)                      なおの趣味の園芸

 私が住んでいるところは田舎ですが、2005年から農村集落排水事業で下水道が整備され合併浄化槽が要らなりました。家を新築したのが、2000年、その時点で下水道ができる話はあったので、浄化槽を貯水槽に転用することは、頭の片隅にはありました。
下水道の料金が上水道の使用量で計算されるのは知っていましたが、盆栽に12回灌水する夏場には、水道代が月に1万円を超えるようになっていました。早く浄化槽を貯水槽にして再利用しないと・・・と思ってはいたがなかなか時間がとれない。盆栽に水をかけるだけだから素人でもできそうだが、ネットで調べても今一つ詳しいページがない。業者に頼めば15万円くらいかかりそうだ。

まず、浄化槽の内部を覗いてみる。一応清掃は、業者に頼んでいたので臭いはほとんどしない。塩ビ管の黄ばみは仕方がないかぁ。どうせ植物にしか使わないから多少水質が悪くても問題はない。中に、配管などが張り巡らされているが、塩ビなので取り去るのは、素人でもできそうだ。
問題は、雨水をどうやって浄化槽に入れ、盆栽にかけられるようにするかだ。どんなポンプを取り付ければ良いかもわからない。
マンホールの蓋は強化プラスチック製だが蓋に穴を開けると蓋の開け閉めがしにくくなるしパイプに足を引っ掛けてしまう危険性もある。浄化槽自体は、金属製
(だと思っていたら強化プラスチックだった)なので配管が通るような穴を開けることは素人ではできそうもない。
浄化槽の上部には、20cmくらいコンクリートに覆われているので上から穴を開けるのは、専用工具でもなければ無理だ。
まず、雨水を浄化槽に入れる配管から先にすることにした。雨水がどのように排水されているか確認する。雨水は10cm程度の塩ビ管で裏の溝へ排水されていた。途中から配管を浄化槽の方へ配管をしなおし、浄化槽の塩ビ管と接合して雨水が浄化槽に流れるようにできた。

次はポンプの取り付けか・・・・と思いながら1年が過ぎてしまった。普段休暇が少ないから、5月の連休ぐらいしか作業をする暇がない久しぶりに浄化槽の中を見た。業者に洗浄を頼んだ割には汚れていたが、1年間雨水を流していたこともあって、臭いは全くなかった。
まず、どんなポンプを買っていいのかが分からない。
水をかけるたびにスイッチを入れるのでは、現在使用している自動灌水装置が使えない。タイマーで電源が入るようにすることはできるが、1回で盆栽置き場全部に潅水するとなるとかなり大きなポンプが必要だ。現在うちでは、5台の自動潅水装置を使って潅水している。
調べていくうちに浅井戸用自動ポンプを取り付ければ、今の上水道と同じ感じで蛇口を開けると浄化槽の水を使えることがわかった。
「浅井戸」でヤフオクやショッピングサイトを検索するとたくさん出てくる。日立・三菱・東芝・などの家電メーカーの他 寺田・川本などのポンプメーカーなど、全部で10社くらい製造していた。
どのメーカーにしようかネットで色々検索していく。イメージ的にはモーターの日立で、日立が一歩リードだが川本ポンプの評判もなかなか良い、しかもこの両者はネット上に取り扱い説明書を載せている。
浄化槽の場合井戸と違って水枯れがして空運転する可能性が高いので、加熱防止で上をいく日立の最新型のポンプに決定した。発売されてまだ1ヶ月もたっていない機種(WT-P200V)だったので値引き率が低く迷っていたが「ポンプ屋」http://pumpya.ocnk.net/64,260+送料1,160円 定価が107,100なので送料を入れても39%引きとかなり安い。早速注文した。
翌日に早速浄化槽の内部の要らない物を取り除きにかかった。簡単に済むはずだったが・・・・・。簡単に外れたのは上部にあるパイプ類だけ、ボルトがさび付いてねじ山が壊れているし、水がいっぱいしているので内部がどういう構造になっているのかよくわからない。素人には簡単にはずせそうにない。とにかく水を抜かないことには始まらない。
あきらめてポンプが来るのを待つことにした。翌日ポンプが届いた。新品なので「ノークレーム・ノーリターン修理はメーカーに依頼して下さい」はいいのだが、保証書に販売店の印が押してない。まぁ、最近の製品はあまり壊れないから壊れたときに考えよう。
さて、どうやって水を抜くかだ。浄化槽の中は3つに仕切られている。給水口が3箇所に移動できなければいけない。排水管も捨てる水なので本来の配管と別。塩ビ管にすると移動することができない。どうしたらよいものか考えていたら蛇腹のホースがあれば、排水管も給水管もあるていど動かすことができる。何か良いものがないかとネットで探していたらちょうどよい物があった。カクダイの洗濯機用の排水延長ホース(内径30mm)だ。これならどこのホームセンターにも売ってある。
問題はこれをポンプとうまく繋げることができるかだが、なんと25mmの塩ビ管とサイズがピッタシ。これをよりしっかり固定するには、カクダイのワイヤバンド外径3538mmを使うと良い。水を抜いた 思った以上に内部になんか入っている。
内部に入っているものを取り除きたいが、仕切りの鉄板が邪魔して簡単には取り除きようがない。鉄板の厚さは3mmほどある。3mmの鉄板をのこぎりで切っていたのでは、いつ終わるかわからない。グラインダーで切れないことはないだろうが、グラインダーを持っていないし、火花も散るし難しいみたいだ。
安全性も考えれば、自分でするより業者に頼んだが早いかなと思い、水道業者に頼んだが無理。解体業者なら・・・と思って電話したが相手にされない。友人にメールを送ったらできそうな感じだったが今は、たまねぎの収穫で忙しくて連休明けになりそうだ。
もう、自分でやるしかない。ネットで鉄板を切断する道具を検索していたらドリカッターというものがあった。これなら比較的簡単に鉄板を切断できそうだが、実売価格が3万円もする。ちょっと高すぎる。それに、鉄板を切る以外には使えそうになく用途も狭いようだ。鉄板を切断するなんてそうあるもんじゃない。グラインダーでも時間をかければ切断できそうなのでグラインダーを買うことにした。
まず、どんなグラインダを買ってよいのかわからない。安いものは、3,000円からある。ホームセンターに置いてあるのは500015,000円ほどのものが多い。ネットで調べていたら変速機能がついたものが良いらしい。
BOSCH
GWS-6-100E/N がお勧め・・と書いてあったのでネットで検索したら実売価格が13,000円くらいだ。送料もチェックしてわたなべ金物から買うことにした。注文して30分くらいしたら電話がかかってきた。
ネットでは在庫ありに表示していたが、在庫がないので発送が10日後の58日になるとのこと。これでは、連休が終わってしまって作業ができない。
業者もその辺を気遣って電話をしてきたのだ。条件は、変速機能・握り手がある・刃の直径が100mmの3点だ。仕方がないので日立のG10SP38,853千円で注文した。電話で聞いた値段がやたらと安いので不安に思っていたら。変速機能が付いていない。返品することもできたが、送料がもったいない。往復の送料の分損をするのもあほらしい。変速ができないのはあきらめて使うことにした。
刃物とぎには、安いグラインダをもうひとつ買おう。水を抜いた浄化槽の中に入ってみると浄化槽の上部の側面に白いプラスチックで蓋をしてあった。後て調べたら臭突を設置するための穴だった。これでポンプの吸入管を簡単に入れることができる。注文した翌日の
 昼ごろグラインダーが到着した。
慎重にグラインダーの歯を仕切板にあてる。簡単に刃が入っていく「あれれ・・・」そう、仕切り板は、鉄板じゃなかったのだ。だぶん塩ビだ。
これなら鋸でも切れる。わざわざ高いグラインダー買わなくても良かったのに・・・・。
鉄板を切断するために色々悩んだのが馬鹿みたいだ。それでも、鋸で切るよりグラインダーですれば作業がはかどる。特に最初の仕切りは作業する場所が狭く鋸を引くのも大変だ。浄化槽の内部は、排水口からみて4つの槽仕切られている
さて、仕切板をどうするかだ、排水口から2番目の仕切板は切り取らないと内部で作業ができないこれは最初に切り取ることにした。
次に排水溝に一番近い仕切板だ。2番目の仕切板切り取ったので作業スペースができ、この板を切り取るのは容易だが、この板を足掛けに使えば、浄化槽の中から出るときに便利だ。最近年をとったので浄化槽の中から外に出るのがかなりきつい。一旦貯水槽に改良すれば、中に入ることはあまりないだろうが、年に1回くらいは内部の清掃もするし、当分出入りしなけでばいけない。それに何か器具を取り付けるにも塩ビだと作業がしやすい。足をかけるための穴を開けて板は残すことにした。
 後は、残る中央の仕切板をどうするかだ。板の底辺りに穴を開けるだけで済む1槽目に入っているものは、等分そのままなので、1層目の掃除ができないので、仕切板の下方を大きめに切り取ることにした。板を切り取るとなんと、1槽目の底には、ヘドロが10cmくらい溜まっていた。これで本当に清掃をしたんだろうか? マンホールの上からバキュームで吸い取っただけだろうから、吸い取るのに限界はあるだろうがヘドロの多さに驚いてしまった。
ひしゃくでヘドロをバケツ移し紐を付けてバケツを吊り上げて捨てた。たまたま友人が来たので手伝ってもらった。これほどの量を一人で作業していたら浄化槽の登り降りだけでも大変だ。汚水用の水中ポンプを買おうかとだいぶ迷ったが、年に1回くらいしか使わないのでもったいない。
ほぼ、1日で浄化槽の中の作業が完了した。
翌日、給水管の配管工事だ。これは今までの上水道を止め配管を繋ぎかえればよい。
後は、雨が降って浄化槽に水が溜まるのを待つしかない。
運がよく翌々日には雨が降り浄化槽が一晩で一杯になった。我が家の屋根の面積は、40坪ほどあるので23mm程の雨が降れば浄化槽は一杯になる。
思った以上に水が濁っている。水に浮くゴミが排水溝から流れるように仕切板を加工しなおした。夏場を考えると少しでも雨水をためておきたいので排水口にエルボを取り付けて雨水が約10cm多く溜まるようにした。10cmでも200リットル近く増える。もっと溜めたいが、吸入口より高くはできない

  さて、配管も終わり試運転。ある程度予測はしていたが、散水ノズル(シャワータイプ)が目詰まりしてしまう。
私の灌水はほとんど散水ノズルを使うので目詰まりしては、どうしようもない。植物にかけるのだから水が濁っているのは問題ないけど・・・・・
どうしようかと思ってまず、最初に思いついたのが“プランクトンネット” これは、この辺のホームセンターには売ってはないだろうし、売ってあっても値段が高いだろう。
次に思いついたのが洗濯機ついているくず取ネットだ。これならどこのホームセンターにも売ってあるし価格も安いはずだ。
早速ホームセンターに行ってみる。20cm×30cmくらいの大きさで250円の洗濯くず取ネットが売ってあった。たいした値段ではないのですぐに買っても良かったが、物の割には値段が高い。浄化槽の中の水は結構濁っているので、ネットが目詰まりして交換もしなければいけないだろうから安いにこしたことはない。
翌日、100円ショップにいってみた。洗濯くず取ネットを探しているとなんとランジェリーネット特大と言うのがあって大きさが60cm×60cm。網目もくず取ネットとほとんど変わらないくらい小さい。鋏で適当な大きさに切ってポリ袋シーラーで接着。ホームセンターで買うより1/10以下の単価で済んだ。20cm四方の小さいネットも105円だったのでなんか得した気分だ。これに細い銅線でストレーナーに取り付ければ完成だ。


梅雨末期の大雨

どしゃぶりの大雨のとき水が庭にあふれた。屋根の配管をすべて貯水槽に入れるようにしているので、水がはけきれないのだ。
大雨時の配管を溜め枡に作っておくべきだった。ちょっと大仕事になるので、連休が取れるときにしよう。


1年後の掃除
ちょうど盆休みのときに貯水槽の水が空になったので、掃除をすることにした。思った以上にごみが溜まっている

わらくずみたいな小さなごみが、たくさん浮いているので、水が少なくなるとストレーナーのネットに付いてポンプの水が上がりにくくなっていた。
そこで給水口に洗濯ネットを取り付けることにした。丁度よい大きさのがなかったので、シーラントをたくさんつけて給水口にねじこんだ。翌日乾いたらしっかり動かないようになった。。

ヘドロも結構溜まっていたので、柄杓でバケツにくみ上げては、排水管に流し込んだ、排水管にエルボを取り付けていたので、バケツでくみ上げた後、浄化槽の外に出さずにすんだ。底が凸凹しているのでひしゃくでもくみ上げにくい。一通りヘドロをくみ上げてから壁にたわしをかけて、壁に付いているヘドロもきれいに洗い流した。そして溜まった汚水をバケツにくみ上げて再度きれいにするのに2時間近くかかった。

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雨水を浄化槽へと配管する。
塩ビパイプの長さは4mなのでそれを繋ぐために溜枡を使うとごみが枡にたまるので掃除しやすい。

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排水用の配管は、塩ビ管でできているので配管をつなぎ変えるのは簡単だ。浄化槽の取り込み口は、塩ビ管でできている塩ビならドリルや鋸で簡単に穴を開けられる雨どいからの水を塩ビ管でつないで浄化槽の取り込み口の塩ビ管と合体。われながら思ったよりはうまくいった。隙間には、雨漏れようのシールをしてこれで完璧。上水道じゃないので大した水圧はかからないのでシールが外れることはまずない。多少水漏れしても土の中だから問題にならない。

 

 

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槽目に入っていた小さいスポンジ

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3槽目に入っていた小さいスポンジ。1センチ四方の大きさなので何かに利用できそう。たまねぎネット20kg用に4袋分の量があった

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浄化槽の中から出したもの2層目から出てきた針金状のものは再利用の見込みがないので捨てることにした。

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1槽目に入っているもの。もう少し目が小さかったら植木鉢の代わりになりそうだが3層目とスポンジと組み合わせて再利用を検討中。

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1槽目の内部

上部は、ポンプからの吸水管

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3槽目の内部

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3層目の仕切り板

穴を開けて梯子の代わりに利用

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4層目の排水口にエルボを付けて少しでも水が多く溜まるようにした。掃除するとき、そこに溜まった汚水をバケツでくみ上げて捨てるときも便利です。

 

 

 

 

 

 

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浄化槽の仕切り板を再利用して作った、名札。これで仕切り板の半分のごみを減らせた。 

 

 

 

 

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100円ショップで買った洗濯ネット

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自作したストレーナーとネット
50mmのパイプに穴を開けて作った。付属品の約4倍の吸水面積がある

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自作したストレーナー

 

 


異径パイプをシーラントで取り付けネットが外れないように渕にもシーラントを付けました。

 


給水口に取り付けるネット。
100円ショップで買ったネット2個できた。口にはアルミ線を通しています

ネットを取り付けたところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


用意するもの 
工具類   ディスクグラインダー  私は、9,000円くらいのもの買いましたが、安いものは2000円くらいからあります。耐久性やモーターのパワー・絶縁構造などが違いますが、プラスチックを切るので安いものでも大丈夫だと思いますが、浄化槽という水周りで使うので絶縁構造はあったほうが良いでしょう。ホームセンターで貸してくれるところもあるみたいです。
 切断用砥石  ディスクグラインダーに取り付ける砥石です。金属切断用の砥石で作業しましたが、まったく問題ありませんでした。価格は1枚100円から300円程度です。金属を切断するとすぐに摩り減りますがほとんどがプラスティックの切断なので1枚あれば大丈夫です
 防護めがね  ディスクグラインダーを使う場合には、目を守るために絶対必要です。安いものは300円くらいからあります。
 防塵マスク  ディスクグラインダーを使う場合には、浄化槽の中は埃がこもるのでこれも必要品です。
 のこぎり  グラインダーの刃が届かない場合に使います。私は、パイプソーを使います
 ドライバー  大き目のものを
 スパナ  できれば、水道工事用のスパナがあれば便利
 ハンマー  どうしても外れないときにハンマーを使います。大きめのもの
 ポンプ   浅井戸用ポンプ  日立 WT-P200V 65,472円しました。今回の一番高い買い物だったのでどれにしようか散々悩みなした。
   バケツ   できればブリキ製のもの 浄化槽の底に残った水をくみ上げるのに使います。
   紐   バケツに付ける紐です。ある程度太い紐が使いやすいでしょう。
   ひしゃく   浄化槽の底に残った水をバケツにくみ上げるのに使います。
   汚水用ポンプ

 最初は、浄化槽が汚れているので、汚水用の水中ポンプがあれば便利です。ポンプの種類にもよりますが、10cm以下の水は吸い上げることができないものが多い。ので結局は買わなかった。

   
   塩ビ パイプ ジョイント  雨水の配水管を浄化槽までつなぐために使います。
   洗濯ネット  水道の蛇口から出す場合には、必要ないが、散水ノズル等を使う場合には目詰まりをしやすいのでストレーナーにかぶせる
   洗濯機用の排水ホース  水を抜くときにあれば便利です。
     
     
     


 

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