園芸用土について             なおの趣味の園芸
最近、パンジーの土とかペチュニアの土とか花の名前を付けた土が売られています。簡単に使えて比較的生育も良いのですが、花の種類だけ用土を揃えていては大変ですし割高です。用土に対する知識を身に付ければ5種類くらいの用土をそろえれば、たいてい間に合います。

ここでの大袋とは、18リットル〜20リットルの物です。価格は、2008年現在の佐賀県内での一般的な価格です。用土は、運賃が高いので、関東地方の値段とは全く違うと思います。

基本となる用土 
ぼら土(日向土)

霧島山の噴出物で軽石系の用土
弱酸性(PH5〜6)で、雑菌が少なく、水はけがよく粒が硬く崩れにくい、産地が宮崎県と近いためもあって価格が安い。粒の大きさごとに選別して売られいてるため篩にかける必要がない。アルカリ性植物を除きなんでも栽培できる用途の広い用土である。アルカリ性植物を植える場合は、苦土石灰を10リットルあたり50〜100グラム使います。
鹿沼土より硬質なので、シンビジュームなど洋蘭や観音竹や万年青などの栽培に主に用いられます。ただ、鹿沼土や赤玉土に比べ水持はよくありません。価格は、大袋で200円〜400円ほど。店による価格の差が大きいですが、価格の違いによる品質の差はあまりありません。

鹿沼土

かぬまつち

栃木県から茨城県にかけて産出し、特に鹿沼市で良質の用土が取れるため鹿沼土と言う。今から3万年前に群馬県の赤城山が火山爆発したときの噴出物だと言われる。地質学上の名称は、鹿沼軽石で、主成分は、珪酸とアルミニウムです。
酸性(PH4〜6)で、主としてさつきやつつじの培用土として用いられますが、雑菌が少なく水はけ、水持がよく、アルカリ性植物を除きなんでも栽培できる用途の広い用土である。軟質系と硬質系があり、一番硬い硬質系を日光砂と言います。
価格は大袋で硬質系が600円前後、普通系が500円前後、軟質系が400円前後です。

赤玉土 (あかだまつち)

赤玉土とは 八ヶ岳 浅間山 箱根 富士山 などの噴出した火山灰を篩でこして玉状にしたものです。赤い色は、土中の鉄分が酸素と反応したもので、鉄サビの色だそうです。用途の広い用土です。柔らかく手で簡単につぶれます。粒の大きさごとに選別して売られいてるため篩にかける必要がない。普通の鉢物から盆栽まで用途は広いが、粒がやわらかいため蘭類には、あまり使われません。。
価格は大袋で450〜500円前後、産地が関東なので価格はやや高い(関東地方では、300円程度で販売されているそうです) PHは、6.5前後です。

パミス(軽石)

 火山の噴火によってできた軽石。名前のとおり軽いので水に浮く。水はけが良いので、洋蘭や東洋蘭・観音竹や万年青などの栽培に用います
価格は大袋で600円前後

桐生砂 きりゅうずな

 鉄分が多く赤みを帯びた火山砂 価格は高い

富士砂 ふじずな

 富士山の溶岩粒、多孔質の黒色の軽い山砂、盆栽の化粧砂として使われる。一般の栽培用土にも適するが、値段が高い。

真砂土
まさど

花崗岩が風化した山土、宅地の造成などに一般的に使われる用土で、鉢植えの用土としてはあまり適さないですが、腐葉土や堆肥等を2〜3割ほど混ぜると畑や庭土と使うには良い用土です。鉢植えに使う場合は、微塵を抜き水はけをよくするか腐葉土を4〜5割くらい混ぜると良いでしょう。篩で10oで篩ったあと2mmふるい残ったものを水洗いすると、砂ができます。黒松を植えるのには良い。赤土っぽいものから砂の成分が多いものまで幅があるります。市販されている用土の中では一番安い用土です。

 バーミキュライト
barmikyulight.jpg (240231 バイト)
 輝岩を800℃〜1000℃の高温で処理し、約10倍に発砲させたアコーデオン状の銀色または金色の光沢を帯びた粒状の用土。まるで、蛭のように伸びた状態になるので蛭石ともいいます。雲母のように薄くはがれる。きわめて軽い。通気性・排水・保水性・保肥性に優れる。雑菌がないため挿木などの用土として使う。長く使っても固まらないので、取木の用土として使うほか、つり鉢の用土に適するが、あまり軽いので安定性が悪く使いにくい面もある。他の用土と混ぜると水を掛けるとき浮かび上がってくることがありますが水を十分に吸った状態では水に沈みます。産地によって成分の違いはありますが、南アフリカ産 珪酸40.7% アルミナ10.6% 酸化鉄6.0% カルシウム1.6% カリウム4.4% マグネシウム27.3% PH7 かさ比重 0.1となっている。オーストラリア産 珪酸37.9% アルミナ10.6% 酸化鉄9.4%マグネシウム21.2% などなっています。40Lで、1000円くらいです。
 パーライト
 黒曜石・真珠岩を粉砕し、高温高圧で発泡させた白色の軽い粒状物。排水性は良い、保水性のあるものと保水性がないものと2種類ある。水に浮くので通常、単独で使うことは少なく、つり鉢用土などに混合して用います。珪酸の作用により根腐れ防止の効果もあります。
パーライトの代表的な製品である。ビーナスライトの成分は、珪酸77.3% アルミニウム12.3% 酸化鉄0.74% チタン0.1% ナトリウム4.16% カルシウム0.5% カリウム4.56% マグネシウム 0.05% PH7 比重 0.1となっています。
 
 焼赤玉土
クレイボール
 赤土を練って焼き、粒状にしたもの。多孔質で水はけ、水持がよく、雑菌がないですが、価格がかなり高いため私は使ったことはありません。
 黒玉土  黒土や田土を玉状に加工した土。ホームセンターでは、ほとんど販売されていないが、田土を加工したものは、JAグリーンなど農業系のホームセンターに田植え用として販売されている他、黒土を加工したものは、寒蘭用用土として販売されているが値段がかなり高いので私は使ったことがありません。
 田土  田んぼの土、粘土質なので一般の植物を育てるのには向きませんが、蓮などの水生植物に向きます。また、ひと冬、風化させたものに腐葉土を混ぜ大菊の用土として使います。一般には、あまり市販されていません。
 畑土  説明するまでもなく、畑の土です。地方によって成分は違いますが、赤土系と真砂土系の土が多いみたいです。
黒土   有機質が腐食して土になったもの。純粋な黒土なら堆肥などを混ぜる必要はありません。
有機質 
  バーク堆肥  樹皮を腐食化したもの、腐葉土と同じように使います。バークに比べ、樹皮が小さく腐葉土代わりに使います。腐葉土より品質が安定しており、価格も安価です。(40Lで300〜600円ほど)普通はPH6程度ですが、PHが7くらいの製品があるので注意します。樹皮の代わりに、砕いた木材を材料にしたものもあります。  
  牛糞堆肥  牛舎に敷き詰めた大鋸屑等を発酵させたものです。腐葉土と同じように使います。肥料分があるので、土のついていない裸苗には使いません。PHが7くらいのものが多いので、PHが7以上ある場合には、石灰を入れる必要はありません。最近(2010年現在)は、40Lで280円ほどで販売されています。野菜つくりには、かかせません。

腐葉土
ふようふど

 樹木の落ち葉が腐食化したもの。クヌギ・ぶな・樫・椎・楢の落葉が上質と言われます。針葉樹の落葉は、普通使いません。落葉に米糠を5%くらい混ぜ、水を十分かけよく踏み込み、ビニールをかけて腐食させて作ります。単独で用いることはなく他の用土に2〜5割ほど混合して使います。大袋18Lで300円〜500円で販売されています。

ピートモス

北国の池や沼で水苔等が腐食化したもの、腐葉土の代用としますがphが4.1〜5.9の酸性なので、10リットルあたり100〜200グラムの石灰を混入します。また、いったん乾燥すると水を吸着しにくいので注意します。ピートモスを使った。植木鉢や播種床等が数多く製品化されています。ピートモスは、本来酸性ですが最近は、PHを調整して中性にした物が販売されています。40Lで1000円くらいです。普通は単独で用いることはなく、腐葉土の代用品として他の用土に2〜3割ほど混ぜて使用します。腐葉土に比べやや高価ですが、病害虫の心配がないので安心です。また、細かいので土の隙間に入り水持ちが良くなります。

 パームピート(ココピート
 ココヤシの実の繊維を数年間腐食させたものです。見かけはピートモスに似ています。8Lで200円ほどですが、水で増える土として100均にも売ってあります。圧縮されているのでかさばらないし、100均で買えばピートモスの半分くらいの値段ですので重宝します。塩分を含んでいる粗悪品があるので注意が必要です。ピートモスに比べ繊維がしっかりしているので長持ちします。私は、ギボウシなどの苗物の発送するときの保湿材として使っています。
 ジフィ ふくらむ培養土  中に入っているのは、パームピートです。1.5kg(20L)で700円ほどですが、ホームセンターでは、500円くらいで販売されています。
100均のパームピートに比べると2倍くらいの値段になりますが、緩効性の肥料(たぶんマグアンプK)が入っています。外袋がしっかりできていて鉢の代わりになる作りなっているのが、大きな違いで、水を掛けると5分ほどで6倍に膨らみます。
100均のパームピートは、水を掛けても膨らむのに1時間くらいかかります。お湯を掛けるとすぐに膨らみますが、冷えるまで時間がかかります。
たぶん、田舎の人間は買わないでしょう。
マンションに住んでいて、古土の処分に困っている人
特殊な用土
バーク 樹皮を腐食化したもの、主に洋蘭を栽培するときに使います。ネオソフロンなどの商品名で販売されています。樹皮の粒がしっかりしています。価格が高いので、私はほとんど使いません。

籾殻薫炭
もみがらくんたん

 籾殻を不完全燃焼させ炭化させたもの。単独で用いることはなく、他の用土に2〜3割ほど混合して使います。排水性、通気性を増し、根腐れ防止になるといわれる。大袋で500円程度で販売されています。

水苔

山地の湿地帯に自生する苔で、乾燥させた状態で販売されています。最近はニュージーランド産の良質な水蘚が150gで300円ほどと安価で販売されています。
水苔が長いほど値段が高くなります。AAとかAAAAなどAが多いほど長くなり価格が高くなりますが、業者によって品質はまちまちです。長い水苔の方が作業はしやすいですが、一般的な蘭の場合は、安い水苔でも問題ありません。ただ、風蘭を苔台の上に植えつける場合には、長い水苔が必要になります。
主に洋蘭・東洋蘭・野生蘭・観葉植物の栽培にもちいられますが、ミズゴケで栽培できない植物はないといわれています。
また、取り木にも欠かせないものです。使う前に水に漬け湿った状態で使います。野性蘭を植える場合には、水苔で植えれば無肥料でも健全に生育します。土と違い、鉢が倒れてもこぼれないし、乾燥させればかなり軽いのが利点です。一旦乾燥させると水を吸いにくくなるので、カラカラに乾燥させて場合には、30分ほど鉢ごと水に漬け吸水させます。
また、他の用土と混ぜて使用することもありますが、そのときは、篩で漉して小さくする必要があります。普通の用土とは違うので、7mmくらいの篩にミズゴケを篩に押し付け、大根を摩り下ろす感じで動かします。鋏で切るより篩で漉す方が簡単に小さくなります。
購入したミズゴケを水に付け吸水させてから固く絞ります。カラカラに乾いたミズゴケは水を吸いにくいので、急ぐ場合には、お湯をかけます。

山苔

山地に自生する苔の一種で、杉の葉に似る。刻んで乾燥させたものが販売されています。主に鹿沼土と混ぜて皐月の栽培に用いる。価格は水苔の4〜10倍程とかなり高いので、私はミズゴケで代用しています。。

けと土

 葦やまこもなどの水生植物が腐食化し粘土に近くなったもの。盆栽の石付けにはなくてはならない用土です。石付けに用いる場合は、同量の水苔と良く練りあわせて使います。保存するときは、ビニル袋に入れ湿った状態で保存します。乾燥させるとぼろぼろになり使い物にならなくなります。

山野草の土・東洋蘭の土 ぼら土 ・硬質鹿沼土・焼赤玉土・パミスなどを混合した土で高価です。大量に使うなら自分で配合した方が安くできます。
パンジーの土・バラの土・観葉植物の土など(培養土) 花の名前が付いた土が園芸店などで売られています。この手の用土は、畑土に腐葉土を3割くらいとバーミキュライトやパーライトを1割ほど混ぜたものがほとんどです。良心的な業者の商品であれば成育は間違いないのですが、植物の種類の分用土を用意していては大変です。自分で配合した方が管理が楽でかなり安くすみます。

 

 

 

 一般的な用土の配合
植物は適応力が広いので、植物を育てるのにこの用土でなければ、いけないと言うことはありません。
上記の基本となる用土7割に、上記の有機質を3割の割合で配合すれば、たいていの植物は育ちます。関東地方なら、赤玉土7に腐葉土3を混合したものです。私が一番使っている配合は、ボラ土1 鹿沼土1 バーク堆肥1の配合です。
水はけを良くしたい時には、ボラ土やバーク堆肥を使い、水持を良くしたい時には、バーミキュライトやピートモスを使います。同じ植物でも置き場所や植木鉢の種類に潅水の回数によっても用土の配合は異なります。色々試してみて自分に最適な用土の配合を探してください。また、用土は重たいので産地から遠くなると運賃がかさんで価格が高くなる傾向にあります。価格が高いから良い用土だとは限りません
草花を植える用土 パンジーやひまわりなど一般的な草花を植える場合には、畑土7に堆肥3が標準です。堆肥がなければ、腐葉土やピートモスでもかまいません。シャベルなどでよく混合します。
高級(大切)な草花や樹木 畑土の中には、害虫がいたり病原菌も多くて枯れる原因になりやすいので、赤玉土7に腐葉土3が基本になります。
私は、九州では、赤玉土が高いので、小粒のボラ土6に樹皮堆肥4を主に使っています。赤玉土や鹿沼土・ボラ土などの用土にに腐葉土や堆肥・ピートモスなどの有機質を3〜4割ほど混ぜるのが一般的な用土です。
山野草 ボラ土1:鹿沼土1:パーライト1など水はけの良い用土を配合します。
盆栽 赤玉土を中心に鹿沼土やボラ土や砂などを混合します。 

鉢植えに使う土

一般的な、鉢植えに使う土は、赤玉土7に腐葉土3を混合したものです。この用土の配合ならたいていの植物が問題なく生育します。関東地方では、赤玉土は比較的安価ですが、九州では、運賃が高いので関東地方の2倍くらいの値段がします。そこで、私は、九州地方で価格が安いボラ土を2〜3割ほど混ぜています。鉢植えに使う土は、まず水はけが良いことが条件です。植木鉢に土を8割位入れ水をたっぷり掛けます。10秒程で水が表面から抜けない場合は、水はけが悪いので、篩で微塵を抜くか、腐葉土や堆肥を多めに混ぜ排水を良くします。

花壇に使う土
花壇には大量の用土を使うのでビニル袋に入った土を使うのはかなり高くつきます。土木業者にまさ土を頼んだほうが早いでしょう。まさ土だと2tダンプ1杯で7000円くらいです。これに牛糞堆肥を混ぜるのが1番経済的です。牛糞堆肥は、農協系のホームセンター(JAグリーンなど)に行くと他の園芸店の半額くらいで売っているところもありますし、田舎で牛を飼っているところが近くにある場合には、共同で堆肥を作っているところがあり、軽トラック一杯で5000円程と袋入りの半額以下で売っている所もあります。アルカリ性植物を植える場合は、石灰を入れます。

古土の再利用
鉢植えに使った古土は、そのままでは、鉢植えの用土として使えません。原因は、@土の粒が小さくなって水はけが悪い用土になっている。A雑菌や害虫が入っている。B植物がだす老廃物が溜まっている。などです。
花壇や畑のある人は、花壇の土に混ぜ込みます。
鉢植えの土として再利用する場合には、堆肥や腐葉土を2割くらい混ぜて1年くらい雨が当たるところに放置します。その後さらに堆肥や腐葉土を1〜2割混ぜNCSなどの土壌消毒で消毒するか、量が少ない場合には、土をポリ袋にいれて電子レンジで加熱します。
ただ、面倒なのでプランターに植える場合には古土に堆肥を3割と殺虫剤を混ぜすぐに再利用して使っています。



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