ヤマモミジとイロハモミジとオオモミジの違い

山槭とイロハ槭と大槭は非常に似ています。普通モミジといえば、この3種をさす場合が多いのですが、イロハもみじと大モミジは、葉の大きさも違うし、質感も違うし、葉の鋸状のギザギザも違うので区別が付きます。葉の形は同じ樹でも多少違いがありますが、質感は同じです。問題は、山モミジです。イロハモミジの亜種と書いてあるものもあれば大モミジの亜種と書いてあるものもあります。私が住んでいる九州北部地域では、イロハモミジの葉が大きい物をヤマモミジとして販売されています。公園などに植えられている場合の名札にもそういうものが多く、盆栽でヤマモミジととして出品されているものはイロハモミジそっくりなのです。それで、イロハモミジの大型の物がヤマモミジだと確信していたのですが、北海道を旅行したとき、支笏湖で大モミジにヤマモミジと名札が付いていたのです。10数本あったのですがすべてヤマモミジの名札が付いていました。葉形はともかく葉の質感が大モミジだったのです。公園の名札はいい加減なものが多いから間違っているだろうと思って、北海道大学の付属植物園に行ってきました。ここなら名札か間違っていることはないはずです。イロハモミジとオオモミジがあって支笏湖のヤマモミジは、どうみても質感からどう見ても大モミジでした。それで名札の間違いだと結論つけて詳しく調べなかったのですが、ちょっと気になってネットで調べていくうちに植物学的に見たヤマモミジは、イロハモミジよりオオモミジに近い種類らしいのです。それなら支笏湖の名札は間違っていなかったのか、北大付属の植物園でよく観察すれば良かったと思っても後の祭りです。
調べて行くうちに「西日本ではイロハモミジをヤマモミジとして東日本ではオオモミジをヤマモミジとして販売されていることが多く、盆栽で、ヤマモミジというのはイロハモミジのことだ」と書いてありました。私が今までヤマモミジだと思っていたのは、イロハモミジの大型種だったのです。
ヤマモミジは、青森から福井にかけて日本海岸に自生し石川県、富山県、新潟県、山形県、秋田県でこの地域にはイロハや大もみじは自生しないということです。すなわちこれら以外の地域で山に入ってもヤマモミジは自生しないのです。