通し接ぎ

果樹などの苗を増やす目的ではなく、盆栽の枝を作る場合に用います。
盆栽を仕立てる場合に、どうしてもこの位置に枝が欲しい場合があります。
そのような場合に通し接ぎをすると比較的簡単に枝を作ることができます。

時期 一般に、穴に枝を通すとき葉が邪魔になるので、葉がない冬期に実施します。
落葉樹であれば、6月の葉刈をした直後にもできます。皐月は、2〜3月上旬が適期です。
用意するもの 電気ドリル・・・ハンドドリルでも使えないことはありませんが電気ドリルが大変便利です
ドリルの刃・・・刃の直径が6mm〜10mm位のものを準備します。接ぐ枝の太さの2〜3倍が目安です。
枝を接ぐ苗・・・・挿し木で増やした苗を準備しておきます。 苗を別に用意しない場合には、枝の一部を剪定をしないで伸ばして
          おいて接ぎ穂として使います。苗にしろ枝の一部を使うにしろ、接ぎ穂ができるまでに、2〜3年かかります。
樹種 落葉樹ならほとんどの樹種で通し接ぎが出来ます。特に、槭や楓は、成功率が高く接ぎ後も目立たなくなります。常緑樹では、さつきなどツツジ類も比較的簡単に接ぐことが出来ます。
   
 1 どの位置に枝を接ぐか決める。
 2 接ぎ穂の状態を確認しドリルの刃のを選択し穴を開ける。
穴の大きさは、枝の太さの3倍くらいが目安です。樹の負担を考えるとなるべく小さな穴を開けたいのですが、穴が小さいと芽が傷つきやすいので、思ったより大き目の穴をあける必要があります。最初小さめの穴を開けて、通りにくかったら穴を大きくしても良いのですが、小さい穴に枝を無理に通そうとすると、芽を傷つける場合が多いので注意します。
 3 枝を通して接ぎ穂の位置を確定します。このとき、芽の位置がどこにあるか重要です。将来芽が伸びることを考えて接ぐ位置を決めましょう。
 4 接ぎ穂と台木の形成層が接する部分を軽く削ぎます。表面の皮を剥ぐ程度で深く切り込む必要はありません。皐月の1年生の枝を通す場合には、接ぎ穂を削がなくても結構です。
 5  小枝で楔を作り、接ぎ穂が動かないように差込ます。
6  癒合剤で穴をふさぎます。癒合剤は、やわらかめのものより、固めのカットパスターの方が良いでしょう。
7 接ぎ穂を太らせるために、接ぎ穂の剪定や芽摘みはしないで伸ばしぱなしにします。接ぎ穂に勢いがない場合には、他の枝を剪定して接ぎ穂に力を付けます。
8 枝がある程度太ってきたら、楔を抜き取る、取れない場合には切り取る。
9 活着したら穂木の後ろの部分を切り取ります。槭や楓など活着が早い樹種で、3ヶ月 活着しにくいもので、2年が目安です。穂木の元の枝より、接いだ枝の方が太くなったら活着した目安です。

 
     
       
       
       


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