球根植物                    なおの趣味の園芸
種から育てる植物と違い、種を播いたけど芽が出なかったと言うことは殆どなく、球根植物は園芸店などで買ってきた球根を植えれば芽が出て花が咲きますので初心者向きの植物です。
春植球根と秋植球根に大別され、一般的に春植球根は夏から秋に、秋植球根は春に花が咲きます。秋植球根は、水栽培できるものがたくさんあります。

 
球根の植え方

 まず、植える場所です。一般に日当たりが良い場所なら問題はないのですが、ユリ類の中で山ユリや鹿の子百合、オリエンタルハイブリッドと呼ばれる百合類は半日陰を好みますので、西日が当らない場所に植えます。スコップなどで20cm以上掘り起こし、球根を植える場所に堆肥や腐葉土などをすきこみます。深く植える必要のあるユリ類は30cm以上耕して下さい。
鉢やプランターに植える場合には、用土の3割ほどの腐葉土や堆肥を加えよく混ぜておきます。
球根植物は、充実した球根であれば、肥料を全く与えなくても花が咲くものがほとんどですが、肥料を与えないと、球根が、だんだん小さくなってします。球根植物は、生育の初期に燐酸分を多く必要とするといわれます。毎年植え替えるのであれば、速効性のある「球根の肥料」をやります。私が使っている「球根の肥料」は、N:P:Kが11:25:10の速効性のあるプロの農家が使っている化成肥料です。毎年植え替えない方が生育が良いヒガンバナ科の球根の場合には、マグアンプKエヌピーKマグ ガーデニングエードボールや「元肥」と銘打った肥料が売られていますのでこれらの化成肥料を使うのが便利ですが、値段が高いの欠点です。
有機質肥料では、燐酸分の多い骨粉や鶏糞・グアノ・溶性燐肥など使いますが、骨粉や溶性燐肥には速効性がないので、過燐酸石灰など即効性の化学肥料も混ぜ込んでおきます。鶏糞は、安価で球根の肥料としては、最適ですが、肥料まけを起こし易いので、必ず発酵鶏糞を使い、1週間以上前に用土に混ぜ込んでおきます。球根植え付け時に与える場合には、球根から10cm以上離れた場所にいれておきます。 緩効性の燐酸分の多い肥料を入れておくと追肥の必要がなく来年の球根が大きくなります。
ダリアを除いて球根の中に蕾が出来ていますので花を咲かすためには大きな球根を植える必要があります。球根が大きいほど花の数が多くなりますが、花の大きさは球根の大きさと関係ありません。(球根が開花球ギリギリで花が小さくなることはありますが、ある程度球根が大きくなれば花の大きさは変わりません)肥料は、普通の草花と違って元肥が主体とします。ダリアなど花が次々に咲く植物は追肥も重要ですが、チューリップや水仙なの花が1回で終わるものは、元肥をしっかりやりましょう。肥料を多くやったからといって今期の花が多く咲くことはダリアなどを除くとありません。球根が大きくなり来期の花が多く咲くようになります。
また、植える場所がないので球根を増やしたくない場合には球根を深めに植えます。浅く植えるほど分球しやすくなります。

 


骨粉は、根に触れても問題はないが、鶏糞は、肥料分が多いと根が腐れるので
土に混ぜて球根から10cmくらい離してやりましょう。

花壇植付けの覆土の量と株間

 種類

 覆土の量

 株間

 

 チューリップ

 2〜3倍

3倍

 クロッカス

 2〜3倍

3〜4倍

 フリージア

 2〜3倍

4〜5倍

ダッチアイリス

2〜3倍

4〜5倍

グラジオラス

2〜3倍

4〜5倍

バビアナ

2〜3倍

3〜4倍

ユリ類

 3〜5倍

3〜4倍

ラナンキュラス

2倍

4〜5倍

 アネモネ

2倍

4〜5倍

アマリリス

0.5〜2倍

3倍

ヒヤシンス 1〜3倍 3倍

スイセン

1〜3倍

3倍

 

覆土の量の標準は、球根の高さの3倍、特徴は、上根のでるユリ類、グラジオラスなどのあやめ科は深く、スイセン、ヒヤシンスなど彼岸花科、アネモネ類は浅く植える。浅く植えると分球しやすいが小球になり開花しない場合もある。球根を増やしたくない場合は深く植えます。

株間の標準は、球根の直径の3倍、最低でも2倍の株間をとる。特徴はアネモネ類は広く植える。

 

球根の取り入れ

 一般に開花後2ヶ月くらいし、葉が3分の2くらい枯れたら堀上げ、みかんが入っている網袋などに入れ日陰の涼しいとこで保管します。基本的には毎年植え替えますが下記の表のように普通と違った管理をする球根植物もあります。

 
 2〜3年置きに植え替える方が生育が良いもの  水仙・ゆり類・アマリリス・ゼフィランサス・ヒヤシンス・アルストロメリア

球根が乾燥に弱いため堀上げたすぐ植え付けるか、湿ったおがくずなどに保存するもの

ゆり類・ダリア・鷺草・うちょう蘭・アルストロメリア

球根を植えた後、すぐに水をやってはいけないもの
(前日潅水した、湿り気のある用土に植えます。))
アネモネ・ラナンキュラス・カラジューム
寒さに弱いので冬に掘り上げるか室内で保管するもの カラジューム・ウコン・アルストロメリア(四季咲き種)
 芽だし処理をしてから植えつけるもの。  球根ベゴニア・カラジューム


植付け後の手入れ 一般に花が咲くまでほとんど手がかかりません。一番大事なのは潅水です。花壇に植えた場合で1週間に1回、鉢植えの場合には、週に2〜7回ほど潅水する必要があります。冬には寒いので水をやるのがおっくうになります。真冬でも鉢植えの場合には1週間に1回は水をやる必要があります。園芸店から買ってきたチューリップや水仙などの秋植え球根を鉢植えして花が咲かない場合はほとんどが水不足です。
春になってアブラムシが付いた場合には、スミチオンなどを散布します。
花後の手入れ これは、球根植物に限ったことではありませんが、花が終われば花の根元から花を摘み取ります種を付けないようにします。種をつけると養分が取られるので球根が大きくなりません。また、枯れた花ガラが付いていると病気の発生原因になりますので可能な限り摘み取ります。ただ、自分で交配して新品種を作るのも楽しいので交配して種を付ける場合には、もちろん花は摘み取りません。一般に球根植物が種を播いて花が咲くのに5〜6年くらいかかると言われますが、ダリヤ・新鉄砲ゆり・アネモネ などは開花まで3ヶ月〜2年ほどと比較的早く花が咲きます。 
葉を大切にする
球根植物は、花が終わった後に光合成で球根を大きくします。花が終わった直後に葉を切ってしまうと球根が大きくなれず、花が咲かない小さな球根になってしまいます。一般に花が咲いて1が月半くらいまで葉を切り取らないようにします。花を花瓶になどに活ける場合には株の3分の2以上の葉を残すようにしましょう。
   
   
   
花が咲かない

球根を買った年は花が咲いたが、翌年以降、葉は伸びるのに花が咲かなくなることがあります。
 日当たりは良いですか? 一部の種類を除いて、日陰では花が咲かないことがあります。 
植替えはしていますか?  種類にもよりますが、鉢植えで2年1回
地植えで4年に1回は、植替えをしましょう。
球根が買ったときより小さくなっているはずです。
鉢植えは、必ず新しい用土に植え替えます。
地植えの場合には、堆肥を入れ、元肥に骨粉やようりん・鶏糞など燐酸分の多い肥料を入れましょう。
ただ、リコリスやネリネなどは、植替えをすると花が咲きにくくなる種類もあります。
花が咲いた後、葉を切っていませんか?
花瓶にいけるために、根元から切っていませんか?
花が咲いてからすぐに、球根を掘り上げていませんか? 
花後に球根は大きくなるので、 葉を切ったら光合成ができず、球根が大きくなりません。
種類にもよりますが、最低でも花が咲いてから1ヶ月は、葉を大事にしないといけません。
葉が3分の1くらい枯れ始めてから掘りあげましょう。
   
肥料のやりすぎではありませんか?   窒素分が多い肥料をやりすぎると花が咲きにくくなることがあります。
 肥料を全くやっていない。  赤玉土や鹿沼土などは、肥料分があまりないので、肥料をやらないと球根が年々小さくなって花が咲かなくなることがあります。
 
   
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