取り木
挿し木ができない樹種でも取り木ならできるものがあります。逆に挿し木ができる植物は、ほとんどが取り木ができます。基本的には、植物を増やすために用いられますが、盆栽の場合、根張りが悪い場合や、腰高の樹形を修正するために取り木を行う場合もあります。また、挿し木と違って太い枝でもできるので太い苗を得ることができるのも特徴です。

必ず樹勢の良い木で行ってください。弱った木に取木を掛けると枯れる場合があります。


時期

3月 芽が出る直前・・・一般的な樹種はこの時期に取木を掛ます。一般に9月か翌年の3月、早いものは、梅雨に入ってから切り離せるようになります。
6月中旬 入梅期・・・百日紅やハマボウなど暖地性の樹種、ドラセナやベンジャミンなどの観葉植物は、6月に取木を掛け9月か翌年の4月に切り離します。
9月 黒松や五葉松など発根に時間がかかる樹種は、9月に取木を掛け、翌年か翌々年の秋に切り離します。

切り離し
根が充分に出たのを確認してから切り離します。ミズゴケは、取り除いた方が良いのですが、根を痛めますので来春の植え替えの時に取り除きます。根がまだ少ないですので、1ヶ月くらい半日陰に置き徐々に日光に慣らします。切り離すときは、枝や葉を剪定して水分の蒸散が少なくなるようにします。

環状剥皮

 

 

 


 

torigi-1.jpg (94633 バイト) torigi-2.jpg (14823 バイト) torigi-3.jpg (16346 バイト) torigi-4.jpg (16476 バイト) torigi-5.jpg (13241 バイト) torigi-6.jpg (52159 バイト)torigi-7.jpg (51528 バイト)このくらい根が出ると切り離すことができる。
腰高の欅の修正のために取り木をかけた例。6月頃なら樹皮は簡単にはがれる。 

根が出ない場合
カルスが上から下につながって根が出ない場合があります。そういう場合もう一度皮をはいで取木をかけなおしますが、2回めも根が出ない場合には、針金巻きつけ方式に変更します。それでも根が出ない場合には、あきらめます。同じ樹種でも品種によって根が出やすいものと出にくい物があります。挿し木のできる樹種であれば、根が出ていなくてもカルスができているので、挿し木をすればカルスから根が出て着く場合があります。

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