木炭                                              なおの趣味の園芸

釣竿を作るために、竹を炙るのに七厘を使うことにした。木炭は買い置きがあったが、竿を20本炙ると5kgほどなくなってしまった。これは思ったより炭がいる。さて、今度買う場合にはどの炭が良いだろうか。色々調べていくうちに、木炭には、製造方法の違いで、黒炭と白炭がある。黒炭は、500〜800℃ほどの温度で焼き、炭が焼きあがってから、炭窯を密閉して火を消すが、白炭は、800〜1200℃ほどの温度で焼き釜を開けて炭を取り出し灰を掛けて消火する。灰が炭について白くみえるので、白炭というらしい。材料の違いで、広葉樹と針葉樹、それと大鋸屑を固めたオガライトに分類され、大きく分ければ、6種類あるようだ。針葉樹の炭は、主に床下に敷くために生産され、着火しやすいが火持ちが悪いため燃料としては、向かないらしい。

普通、木炭と言えば、広葉樹の黒炭で、ホームセンターなどで売られている中国産やマレーシア産のマングローブの黒炭が、10kg1,000円程度で売られている。国内産の黒炭は、樫や楢・クヌギなどドングリの仲間の樹を焼いたものが多く、10kg3,000円程度で売られている。黒炭の特徴は、白炭比べやわらかくて火がつき易く火力が強いが、白炭より火持ち悪い。
菊炭と言って切り口がきれいな菊の花のようになっている炭もあります。主に茶道に用いられる炭で非常に高価です。

白炭の代表は、高級炭の代名詞の備長炭だ。これは、ウバメガシでできた白炭で、火つきは悪いが、火持ちが良く遠赤外線効果で芳ばしく焼けるらしい。ただ、注意しなければいけないのは、炭がはぜることが多いらしい。特に保管期間が長く、湿気を帯びている炭は、爆ぜる可能性が高いとのこと。手や足に当たっても軽い火傷で済むが、目に当たれば失明することもあるだろうから危険だ。普通の炭でも爆ぜることはあるので、火のつき始めに息を吹きかけるのは危険だ。白炭は、黒炭に比べ3割〜5割ほど値段が高い。高くて火の粉が飛び安ので私は買ったことがない。

その点から考えると、見かけは風情がないが、オガ炭の白炭が一番良いことになる。備長炭と違って爆ぜることがほとんどない。値段も輸入ものなら10kg 2000円くらいからある。オガ備長炭として売られている場合が多い。オガ炭としか書いてない場合には、たいてい白炭だが、黒炭の場合もある。普通木炭の黒炭に比べ火つきがかなり悪い分、火持ちは良い。また、大きさが揃っているので、扱いやすい。火付きが悪いので、普通の木炭に火を付けてからオガタンを入れる方が火がつきやすい。
オガ炭は、大鋸屑を固めただけで、他の添加物は加えていない地球環境にもやさしいものらしい。石炭の粉を固めた練炭や豆炭とは、全く別物である。輸入ものは、値段は安いが品質にばらつきがあるので注意が必要だが、やっぱり値段の安さの魅力には負けてしまう。もう一つオガ炭の良さは、箱が小さいことだ。同じ
10kgでも普通の木炭より3割ほど箱が小さい。大量に買った場合置き場所にも困るので箱は小さい方が良い。室内の囲炉裏で使う場合には、ガスが多いと困るので多少値が張っても国内産を買うが、今回は、七厘で竹を炙るのが主な目的なので、安い輸入物にすることにした。

安い炭の比較表(価格が安い輸入物)      価格は、2010年現在
   普通の黒炭 白炭  オガ炭 
価格10kg   1000円ほど 1500〜 2000円  1000〜1500円
 火の付き易さ  ○  △  ×
 大きさの揃い  △  □  ○
 火爆  △ ×   ◎
 臭い  △  □  □
火持ち  △   ○  ◎
 火力  ○  □  □
 炎  ×  □  ○
 煙  △  □  ○
       
 オガ炭は、火力が強く火持ちが良いと宣伝してあるものが多いが、私が使った感度では、火持ちは良いが、火力は強くない。また、黒炭と違って炎がでることもあまりない。工場で生産されるので、同じ商品なら品質が安定している。


まず、ホームワイドに行ってみた。中国産の木炭が10kg980円 中を明けてみると、大小さまざま、屑もかなり入っている。値段が安いから仕方がないか。火を点けて使った限りでは普通の炭だ。次にグッディで行った。マングローブ炭が995円金額はホームワイドと大差がない。忙しくてまた使っていない。次にナフコに行った。マングローブ炭がなんと870円。他のHCより1割以上安い。使って問題がなければ、普通の黒炭はナフコに決定。
この炭の少し離れた場所に潰れかかった箱が古くていかにも売れ残りのオガ炭があった。値段が付いていないが、高くはないだろうと思いレジに持って行くと、レジでも値段が分からない。店長と相談して、「
900円です。」との答えだった。グッディでオガ炭が2000円だったので半額以下だ。もっと買おうかなぁと思ったけど、大量に買って粗悪品だとまずいので一箱だけ買うことにした。家に帰って明けて見るときれいなオガ炭だ。早速燃やして見ることにした。黒炭だが火持ち良い。ガスの発生も少ないのでこれは絶対買いだ。6箱(60kg)全部買うことにした。全部使っているうちに、オガ炭にしては、製品にバラツキがあり、煙が出る炭もあった。価格相応と言うとこだろう。
次にオガ炭の白炭
(オガ備長炭)を買うことにして、ネットで検索して見るとヤフーオークションが一番安い結果になった。中国産の1品が20kg1,900円とかなり安い。送料がかかるが、送料込みで2,650円。普通のホームセンターの半額だ。これが一番安いと思っていたらオガ備長炭の名称でマレーシア産の2級品だが30kg2100円、送料を入れても2950円というのがあった。木炭は、何年でも悪くなることはない。たぶん・・・。輸入物は長い目で見れば価格が上がるから、この際まとめて買うことにした。
11月に使った、ホームワイドから買った木炭の2箱目が最悪だった。いくら安物とはいえ、生焼けの木炭が入っていた。火の子は飛ぶは、臭いはするは、木炭くずは多いは、で最悪な木炭だった。オガ炭は、工業製品と言うこともありここまで悪い木炭には出会っていない。
年明けた2010年正月
2日にユートクに行ったらオガ備長炭が、10kg1,280円で売り出されていた。広告の品と書いてあったので、安いのは間違いないが、箱の大きさからして折れたものがバラで入っているものではないかと思う。どうせ七厘で使うのだから折れた小さい物でも問題ないから買おうかなぁと思ったが、さすがに保管する場所がないので買うのをあきらめた。この1ヶ月で普通の木炭30kg オガ炭60kg オガ備長炭70kgの合計160kg買ってしまっていた。
盆者休みにスポーツ用品店に行った。BBQ用のオガ備長炭が半額の1580円で処分されていた。ホームセンターでは、年中販売させれいるので特売はあっても、処分売りは少ないが、スポーツ用品店は、夏場しか置いてないらしい。

2010年10月 たまたまユートクに行ったらオガ備長炭が10kg980円であった。特別売り出しでもない。質は分からないがとにかく安い。家に持って帰ったら盆休みにスポーツ用品店で半額で買ったものと同じ物だった。何で・・・・半額の方が高いの・・・・・?。
園芸用の用土を消毒するために大きめのフライパンに用土を入れ七輪で焼くことにした。色んな用土消毒を試したが、土を焼くことは単純で効果もはっきりしている。休みの都度、七輪に火をおこし、用土を消毒すると10kgの炭が1ヶ月でなくなってしまった。
ヤフオクが一番値段が安いので、90kgまとめて買った。破れオガ備長炭と書いてあたったが、七輪で使うには、長い炭より小さい炭の方が使い易い。
もっと安いオガ炭を買おうと、ネットで検索したらウィキペディアにネット販売などの低価格な炭は、希に「かさ上げと成形し易くするために、粘土や土砂が成形加工時に混ぜられていることもある」と書いてある。また、「原料となる材木が海水の貯木場に長期保管されていた場合や、低質な部類の海中マングローブ材では、木材に塩分が含まれることがあり、それらから製造されたオガ炭を燃焼した場合、器具に錆が生じることとなる。・・・・・」と書いてある。珪藻土の七輪を使っているし、用土消毒用のフライパンはボロなので塩分は、あまり気にならないが、粘土が含まれるオガ炭は、値段が安くても意味がない。そういえば最近使っているオガ炭は、灰の量が多いような気がする。
別の木炭業者のホームページを見るとマングローブを使ったマレーシア産のオガ炭は、値段は安いが、マングローブの比重が軽いのでかさ上げするためにほとんど粘土が混ざっていると書いてある。中には悪徳業者がいるだろうが、希にあるのならともかく、ほとんどの炭に粘土が混ざっていると言うのは信用できない。なお、その業者は、マレーシア産のオガ炭は、取扱いがなかった。
別の業者のホームページを見ると、マレーシア産が10kg1000円で販売されていた。中国産が1200円だった。成分の構成が載っていて、マレーシア産の灰分は、中国産の半分で国産と同じレベルと書いてあった。
どの記事を信用して良いか分からないので、実際自分が買ったオガ炭を燃やして確認することにした。
燃やす前に重量を測り、燃えてしまった後の灰の重さを計り比重を求めれば、粘土が入っているものほど比重が高くなる。計量結果は、ヤフオクで買った一番安いオガ炭の灰が、一番重く他のオガ炭の2倍ほどあったが、燃やす前の重量で比較すると、5%にもならない。粘土が入っているということはあまりなさそうだ。
火力も強いほうが良い。同じ条件で火をつけて、全体に火が回った時点で取り出し、炭から20cm離れたところの温度を測ってみた。
結果、価格性能比でみてホームセンターユートクで買ったオガ炭が一番優秀だった。灰も軽いし、火力も強く、価格も安い。追加で500kgほど買った。地元で買えるので送料がかからないのでなお良い。私の予想が的中し、価格は、1年後には、1480円に上がっていた。それでも他のホームセンターの半額だ。

七輪の使い方
七輪と書いたが本来は、七厘と書くのが正解らしい。昔、七厘の値段の炭で1の食事の準備ができるので、「七厘」というそうです。

火をおこすやり方としては、大きく分けて3つだと思います。ひとつは、着火材をつかう。キャンプなどでは、ジェリー状や固形の着火材を使う場合が多いと思います。普通の木炭(黒炭)で使うのには、問題ありませんが、備長炭には、火がつきにくいそうです。次に、火おこしを使う。火おこし器に入れて、ガスの火にかけ火を起す方法です。一番確実なのですが、ガスレンジを壊してしまいそうなので、ガスレンジを新しくしてからは使っていません。3つめは、薪に火をつけてから炭に火を点ける方法です。我が家では、もっとも多い火の点け方です。小さいころ風呂の燃料が石炭だったので、風呂を沸かすために、薪割りを毎週していましたので今でも着火材を使う気になれません。

まず、新聞紙少々、4分の1くらいの大きさがあれば良い。それと小さい薪(割り箸の太さからその4倍くらいの太さのもの)、なければ、使い古しの割り箸が10本ほどそれと小さめの木炭を用意する。小さな薪を作るには、斧が必須だ。斧は、長く使えるので多少高くても良い物を買った方が良い。薪をマッチ棒の2倍くらいの厚さに10本くらい用意すれば、新聞紙を使わなくても火をつけることができる。庭木を剪定した小枝を捨てずに取っておくことにした。

七輪の側面下方にある蓋をあける。サナを底にいれて、その上に新聞紙を丸めていれ火を点ける。新聞紙が半分くらい燃えたら、小さな薪をいれ薪に火が移ったらやや大きめの薪を入れる。薪の半分くらいに火が移ったら小さめの黒炭を入れる。そのまま、10分くらいすると木炭に火が点くのでそれから大き目の炭やオガ炭や備長炭なのど火が点きにくい炭をいれます。最初は煙がかなり出ますが、薪が燃えてしまうと、煙はほとんど出ません。団扇で、パタパタ扇ぐ人がいますが、火の子が飛びやすいので、団扇で扇ぐのはやめましょう。また、炭が爆ぜる可能性があるので、炭全体が赤くなるまで、炭を覗き込むのは止めましょう。古い炭ほど爆ぜる可能性が高いそうです。また、備長炭は、新しい炭でも黒炭にくらべ爆ぜるそうです。薪を多めに入れて火が十分薪に点いてからから木炭を入れると火が点かないことはほとんどありません。火を付け始めてから黒炭で15分、白炭で30分くらいしたら肉などを焼くことができる状態になります。焼き終わったら、残った炭は、「火消し壷」に入れて消火します。消火した炭は、「消し炭」と呼ばれ火がつき易い炭になりますので、火を起こすときに使うと便利です。
(2011年)

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