私が、作出したさつきの新品種                                     なおの趣味の園芸

 香シリーズ
寿光冠×碧空の交配で、晃山系の性質が強く、葉が小さく枝打ちが良いので、小品盆栽に向く。小中輪で花弁が厚い品種が多い。葉が小さい割には幹の太りは早いものが多い
 香の泉(かのいずみ)  香水仙(かすいせん)  香の月(かのつき)
   
 寿光冠×碧空   寿光冠×碧空   寿光冠×碧空
 光琳咲き、紫系地合絞りが咲き吹き上げ絞り・鹿の子絞りなど絞り芸は多彩。わずかだが白絞りや底白も出る 光琳咲き、赤系絞り花。平凡な絞り花ではあるが、花弁が厚くパキット咲く。   光琳咲き、赤系地合絞り、底白花が咲く。花弁が厚くパキット咲く。 小輪。
 香の雫(かのしずく)  香の曙(かのあけぼの)  香の夢(かのゆめ)
 
  寿光冠×碧空   寿光冠×花苑  寿光冠×碧空
香の泉と似ているが、地合いの色が薄めで花もやや小さい。白絞りもでる。  光琳咲き、赤系地合絞り、地合絞りだが地合の色が淡い色なのが特徴。。花弁が厚くパキット咲く。 小輪。今年は確認できなかったが、この品種は、2色咲きの花が咲く 細弁咲きだが花弁が厚く美しい。、赤系地合絞り。
幹が太りにくく、つる性で枝が垂れるのが欠点・
 香のせせらぎ(かのせせらぎ)  トシ坊  JA66
 寿光冠×碧空  寿光冠×碧空  寿光冠×碧空
細弁咲き、紫系地合絞り。。
この交配の品種の中で一番小輪。花柄多彩。幹太り抜群によく小品盆栽に最適。
 
 紫系地合絞り 花は特別な魅力がなかったが、盆栽素材として良かったので保存していた。白花が咲いたので評価が上がり保存品種となった。。
     
 JA88    JA7  JA77 香の灯火
   
 寿光冠×碧空  寿光冠×碧空   寿光冠×碧空
 地合が薄い上に底白花が多いのでなおさら薄く感じる。  細弁咲きも混ざる  このシリーズとしては大きめの花が咲く。朝陽と非常にしている。朝陽よりは花が小さく底白花が多く咲く。
   
 
 JA42  JA8  JA62
 
  寿光冠×碧空   寿光冠×碧空    寿光冠×碧空
 取り立てて良い花ではないが、特徴がある花なので残すことにした。 極薄い地合い咲きです。来年の花を見て処分を決める
 極薄い地合い咲きです。来年の花を見て処分を決める
     
 JA21  JA36  JA46
   
 寿光冠×碧空  寿光冠×碧空  寿光冠×碧空
花弁厚く、香水仙と似る。   来年の花を見て処分を決める 今年は花腐れがが出たので良い写真が撮れなかったが、良い花が咲く。香の灯火に似た花なので、来年の花を見て処分を決める
     
 JA51  JA51 左と同じ品種  JA77
 
 
  寿光冠×碧空    
 丈夫で太りやすい。芸は少ないが、底白もでる。    
     
 星の輝き交配。上総紫や星の輝きなど濃色で色彩の美しい花の作出を目指して交配した花です。
     
 達磨の夢  達磨の煌き  達磨の月
 
星の輝×白蓮 星の輝×白蓮
星の輝×白蓮
 花弁が厚く端正な花型。桃色の単色花だが、白い星が入る珍しい花柄。 写真ではわかりにくいが、濃桃紫色の美しい花色  
     
 香月純鉄  香月鏡  KH21
 
 山の光×星の輝  星の輝×白蓮 寿姫×星の輝
     
     
 おぼろ月  香月紫  香月の輝
 
 星の輝×白蓮  星の輝×白蓮  寿姫×星の輝
上総紫と殆ど同じ色彩。伸びがよく花付も良いやや小輪。花に比べ葉がやや大きいのが欠点。耐雨性強く日光による退色もほとんどない。   雌しべの柱頭が大きく目立つのが特徴。雨に強く退色しにくいので庭木にも向く
     
 HH21  IK1  YH1
   
  星の輝×白蓮  彩×紅梅  山の光×星の輝
   これといった品種ではないが、玉班が鮮明にでるので保存することにした。  
     
 KH2  KH26  AH1
 
 
 花蓮光×星の輝  花蓮光×星の輝  愛国の光×星の輝
     
     
 KH06    
   
 
 寿姫×星の輝    
 早咲き 葉は寿姫に似る。丈夫で花付が極めて良い。初心者向き    
     
優々(ゆうゆう)   朝陽(あさひ)  JH66
 寿光冠×花苑  寿光冠×花苑  寿光冠×花苑
 この花の芽が出た年と、鴇の「優々」が生まれた年が同じだった。花の色が鴇の色とにていることもあり優々と名づけた。強健で生育が早いがやや枝打ちが荒い。   寿光冠に似た上品な花。白絞りもでる。  JH31と似ているので、処分する予定だったが白絞り花が出たので処分保留
     
 JH88  JH31  JH54
   
 寿光冠×花苑  寿光冠×花苑  寿光冠×花苑
 2色咲きが出た  生育良い  
     
 JH72  NH01  
   
 寿光冠×花苑  那須野×花苑  
 細弁咲きの大輪は少ないので残すことにした。  花形は那須野に似るが、j地合いが薄くすっきりしている。。  
     
 深山霧島つつじとの交配で、花が小さく小品盆栽に向きます。花が小さい割には、伸長性があるものが多く、幹の太りも悪くありません。
月の水車(つきのすいしゃ)  左と同じ  月の泉
 
 深山満月の実生    旭の泉×由布絞り
 白地に紫の蛇の目が入る珍しい花柄 花径 約5cm   深山系では、珍しい絞り花が咲く。 花径 約3cm 
     
 MF1  月の小町(つきのこまち)  
     
 深山満月の実生  鶴翁×舞扇  
 極小輪、くっきりした爪紅が特徴  2.5cmの極小輪  
     
     
     
     
     
     
     
     

  

 私が、皐月の品種作りを思い立ったのは、近代盆栽に、皐月の新品種の苗を配布する旨の記事があり、茨城県の桜井さんに皐月の実生苗を頂いたからでした。実生苗ということは、似たものはあるかもしれないけど、世界に一つしかないものです。そう思うと自分でもやってみよう。そして自分が死んでも世の中に残っているような品種を作ろうと思ったのです。 普通育種の世界では、世に出せるのは千本に1本、世の中に残るのは1万本に1本 名品種と呼ばれるのは、100万本に1本とも云われています。ただ皐月の場合には原種でも綺麗なので結構見られる花が咲きます。中学生の頃から百日紅や欅などの樹木やベゴニアやグロキシニアなど微細な種子の種まきをしたことがあったので、育種は簡単でした。

1995年に鶴翁どうしを交配し種をまきをしたのが最初でした。鶴翁は、日光と深山霧島の交配種ですが、鶴翁どうしの交配の場合、花形は、深山霧島の形ばかりで、日光の花形は一つも現れませんでした。花色は、白〜赤で、中には鶴翁とほとんど区別がつかないものもありました。白と桃と赤の比率は、1:2:1に近く白と赤が不完全優勢で桃色の鶴翁ができたものと思われます。皐月の場合は交配が繰り返されていますので、こんなに単純ではないでしょうからたまたまそうなっただけかもしれません。 深山霧島と普通の皐月を交配した場合、ほとんどが深山霧島の花形になり、葉形も丸葉が多く出ます。鶴翁が日光と深山霧島の交配種なら鶴翁どうしを交配すれば、メンデルの法則みたいに簡単にはいかないでしょうが、日光の花形の花が現れるはずです。ただ、苗数が25本と少数でしたので現れなかったのかもしれません。この件については、自分が交配した苗を戻し交配して確認してみようと思います。
深山霧島を交配親にすると、ほとんど深山霧島形の花形になると書きましたが、愛国と舞扇(深山霧島)の交配で、1本だけ細弁咲きの花がありました。突然変異でできたのか、他の皐月の種が混ざったのかは定かではありません。ただ、私は、学者ではありませんので、皐月の遺伝子が云々というのはどうでも良いのです。世間に認められるような美しい花が咲く品種ができさえすれば・・・。とは言っても、高校時代生物の授業は、大好きでした。特にメンデルの法則は・・・・・。

深山霧島はツツジであって、皐月ではないという意見があります。たしかに、普通の皐月とは違います。そもそも、深山霧島も皐月もツツジの1グループであって、確固とした定義はないのではないでしょうか。どなたかご存知の方は教えてください。皐月と開花時期が近いので交配がしやすく、日陰でもよく花を咲かせます。また、深山霧島交配皐月は、花が小さいため、生育が遅いと思われがちですが、種をまいたら判るのですが、花が小さい割には、生育は悪くありません。どちらかというと生育は良い方です。皐月の場合、小品盆栽にすると葉が小さい割に花が大きいので、花が咲いたときにはアンバランスになります。その点深山系の品種は花が小さく花付きが良いので、小品盆栽に最適です。

 

1997年播種一覧

母木 父木

苗数

 
鶴翁 愛国

30

絞りの花も出る。比較的良花が多い。
深山満月 深山満月

50

花色は、白〜紫  単色が多いが、底白・爪紅も出る。玉斑・絞りも期待できる。生育が良いものが多い。
深山満月 鶴翁

20

花色が白〜紫 白〜赤と豊富 底白・爪紅も出る
愛国の光 若恵比寿

1

地合い絞りの花がでる。
深山 好月

40

 ほとんどが、桃紫色の単色花で、絞りの花は咲かない。
朝桜 紅梅

20

 ほとんどが、桃紫色の単色花 生育が悪いものが多い
花苑 紅梅

20

初期生育が悪い。単色が多いが、絞り花も3割ほど出た。平凡な花が多い
那須野 花苑

20

初期生育が悪い。花色は、那須野に似たものが多いが赤色もでる。花柄は、絞り花が多く、地合い絞りや底白もでる。
朝桜 好月

10

これといった花は出なかった。

98年播種

母木 父木

苗数

 
鶴翁 碧空

20

花柄、花色ともに良いものが多い。小品盆栽向き
旭の泉 鈴の誉

20

両方の親である八咫の鏡に似たものが多い。
鶴翁 星の輝

20

小葉で葉性の良い物が出る

 

 

1999年播種一覧

母木 父木

苗数

 備考
愛国 鈴の誉

70

.赤紫の発色は良い物が多いが、暗赤色の花も多く出る。八房が多く出る。駄花が多いが、2色咲きも出た。 6
愛国 舞扇
(深山霧島)

150

比較的色彩が良いものが多い。底白は、比較的多いが、絞り花は少ない。初期成育良く伸びが良い物が多い。桃色系の花が多いが藤紫系の花もでる 7
愛国 深山

50

.桃紫色の花が多い。底白は出る 6
愛国の光 星の輝

40

.紫の濃い色が多い 鮮赤色もでる。色彩が良い物が多く伸びが良い物が多い。花は小輪が多い 8
朝桜 鈴の誉

30

濃い色の花が多い。八咫の鏡に似た花がでる。比較的大輪の花が多い。絞り花は、少ないが玉斑は比較的出る。 5
旭の泉 由布絞

50

.紫の絞りの花もでる 7
旭の泉 舞扇

30

桃色系の花が多い 6
紅梅

20

開花期が遅いものが多い。玉斑も出る。 6
鶴翁 舞扇

70

深山霧島の血が75%のため、小輪の花が多い。色彩は、濃桃色が主。紫系も少し出る。 7
鶴翁 深山

40

桃紫、小輪が主、 6
花蓮光 星の輝

30

底白花のきれいな柄が出る。色彩がよいものが多い 8
寿姫 星の輝

50

生育が良いものが多い 濃い色彩が良いものが多い。絞り花は出にくい。花は小輪から大輪まで。花持ちが良いものが多くでる。 7
寿光冠 花苑 50 初期成育悪いが、花弁が厚く良い花が咲く 約8割が地合咲き。中〜大輪が多いが枝打ちは良い物が多い。薄い花色が多い 7
寿光冠 碧空 80 初期成育悪い。花弁が厚い地合絞りの花柄の良いものが出る反面、樺色のボーとした花も多い。約8割が地合咲き。小輪小葉で枝打ちが良い物が多く小品盆栽に向く物が多い。赤系と紫系の色が出る。白花は少ない。朱系の発色の良いものが多いが、直射日光に当てると色があせるものが多い。 9
那須野 花苑 50

初期成育悪い。両親とも地合咲きだが、白花が多い。地合咲きの花もでるが良花は少ない。

7
八咫の鏡 上総紫 70

赤芽と青芽が半々出る。初期成育悪い あまり良花はでない。

5
星の輝 白蓮 30 単色のほか、底白もでる。色彩は良いものが多い。伸びがよいものと矮性のものが約半々出る。 8
深山 鈴の誉 50 桃紫色の単色が多い、濃い紫が比較的多く出る 6
深山 朝桜 50

桃紫色の単色が多い

5
深山 上総紫 150

紫系の単色が多い

5
深山 八咫の鏡 80

桃紫色の単色が多い。花付きは良い

5
山の光 星の輝 50 生育にばらつきが多いが、生育が良い物が多い 7
由布絞 八咫の鏡 50

深山霧島の性質がつよい

6
         

品種名に深山と記載しているのは、深山霧島の原種と思われるものです。紫の綺麗な品種です。また、舞扇、由布絞りも深山霧島です。私が目指すものは、鶴翁や深山満月などのように、深山霧島の可憐さを残しながら、深山霧島より、強健な品種です。深山霧島は、皐月に比べればどうしても、暑さや寒さに弱いようです。
次に目指すのは、濃色の品種です。現在、星の輝や上総紫といった品種に人気があります。星の輝きは、花は良いのですが、葉が巻葉のため、冬には見られません。上総紫は、葉性はいいのですが、花付がやや悪く、花形も桔梗咲なため、木が花で覆われるほどの花が咲くのはまれです。濃色で、花付き葉性の良い品種です。

深山霧島とさつきの絞り花とを交配した場合、ほとんどが単色の花が咲き、底白・つま紅が1割ほどで、絞りの花はほとんど咲きせん。但し、由布絞りなど、絞り花が咲く深山霧島とさつきの絞り花が咲く品種を交配すると、絞りの花が咲きます。私の持っている由布絞りは白1色しか咲きませんが、交配すれば絞りの花が結構出ます。また、深山霧島交配種は、開花が早いの特徴です。丸2年で約2割ほど花が咲きます。普通のさつきどうしの交配では、3年しないと花が咲きません。早く花柄や花色の確認ができれば選別が早くでき効率がいいです。

星の輝きを交配親にした場合は、ほとんど絞り花は咲きませんが、底白・玉斑は、2割程度でました。濃い色の色彩が良いものが多い。また、矮性の巻き葉は、全体の2割ぐらい。全般的に生育が良い物が多い

花苑の交配種は、初期成育が悪いのが多いが、4年目くらいから生育が良くなる物が多い。

 

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