針金掛け

盆栽の針金掛けに使う針金は、本来は銅線を使います。銅線は、そのままでは硬いので使用前に一度焼きなましをしておく必要があります。最近は焼きなましをした針金が売られています。焼きなましをした銅線の針金は、掛けるときは柔らかく、いったん曲げるとだんだん硬くなり針金の利きが良いと言われています。しかし、価格が高く素人には扱いにくいため最近はアルミニウム針金が良く使われています。アルミニウムの針金は銅線に比べて柔らかく素人でも簡単に掛けることができます。またはずすときも柔らかいため針金切がなくてもはずしやすい。ただ柔らかい分、利きも悪いので、銅線を使う場合に比べ太いものを使います。針金の太さは曲げようと思う枝の太さの3分の1が目安です。長さは掛ける枝の長さの1.5倍です。針金が1本で利かない場合には、2本掛けます。2本目は1本目に沿わせるように巻いていき隙間を作らないようにします。

枝を下げる場合は、枝を目的の位置まで下げてから針金をかける。松柏類は、針金が利きにくく枝がもとに戻りやすいので、予定のより下の位置に固定する。

  

 

 

 

 

 

 

 

掛ける時期

針金を掛ける時期は、新芽が延び始めた時期を除けばいつ掛けても良い。ただし、樹種によっては特定の時期でないと針金が利かなかったり、枝が折れやすかったりするので注意が必要。たとえば梅の枝を伏せるために針金を掛ける場合には、5月の下旬から6月の上旬の間に針金を掛けないと枝が硬くなり針金が利かない。

5月〜7月

樹木の成長期で樹皮が柔らかく傷つけやすいので注意する。ただ、幹が柔らかいので針金が利きやすい。太りが早い時期なので、針金が食い込むのも早いので注意する。梅・木瓜・真弓などの枝が硬い木は、この時期に今年伸びた枝に針金を掛けないと利かない。

9月〜10月

樹木の充実期で幹が太りやすい時期、針金の利きは良い

11月〜2月

樹木の休眠期で、樹皮がはがれにくく、落葉しているので針金が掛けやすい。ただ針金の利きは悪い。枝を大きく曲げ樹皮にひびが入った場合には癒合剤を塗り、霜が当たらないところへ置き保護する。

はずす時期

基本的には枝に針金が食い込む前にはずすが、松柏類は針金が利きにくいので、針金が少し食い込んでからはずす。針金を掛けてから半年から1年後になる。落葉樹では、針金傷ができると、落葉期に傷が見苦しいので早めにはずす。針金を掛けてから2週間から3ヶ月くらいではずす。

太い枝・硬い枝を下げる

  1. 鉢底から、針金を通し、針金で枝を引っ張りおろす。枝には針金が食い込まないように水道のホースなどを短く切って枝に当てておくと良い。

 

  1. それでも枝が下げにくい場合には、枝にラフィアを包帯を巻く要領で強めに巻いて保護し、枝の下に鉄筋を固定し、枝を下げる。鉄筋を長めにすればかなり太い枝でも曲がるが、あまり無理すると枝が折れたりひびが入り枝が枯れる場合があるが、多少のひびが入るくらいでないと枝が下がらない。ひびが入った場合には癒合剤を塗る
  2. それでも枝が下がらない場合には、枝の付け根の下側に鋸で切れ目を入れる。鋸の切れ目は浅いと効果がない、深すぎると枝が枯れてしまう。目安として枝の直径の3分の1から5分の3の切れ目を入れる。木に負担をかけるので樹勢の弱い木では行わない。( 枝の付け根の上部に切れ目を入れるほうが良いという意見があるが、枝が下に裂けやすいし、枝の傷も目立つので、枝の下に切れ目をいれる )
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