鷺草の栽培

植え付け時期 10月〜4月上旬

球根 去年植えた鉢がある場合には、鉢をさかさまにして球根を取り出します。球根の大きさは、2mm〜2cm程です。球根の大きさと土の粒と同じくらいなので球根を見落とさないようにしましょう。管理が良ければ、1年で3倍程度に増えています。小さい球根は今年は開花しませんが、来年開花するので大事に育てましょう。取り出した球根は軽く水洗いします、できれば、この時、ベンレートかトップジンMの1000倍液に30分くらい浸してから植え付けます。米粒の半分くらいしかないような極小の球根の場合は、大きな球根にぴったり付けて植え込んだほうが良いでしょう。3月に入ると球根から小さな芽が出ています。芽を折ると球根が駄目になるので、芽を折らないように慎重に扱います。


左から2個目位の大きさがあれば開花する。右側は特大球

用土 ボラ土鹿沼土、赤玉土、砂、水苔、軽石などで米粒大から大豆大の大きさの用土単体か、籾殻薫炭やピートモスと混合する。(私は、鹿沼土1 ボラ土1 赤玉土1 ピートモス1の割合で使用しています) 湿地性の植物ですが多湿にすると病気が出やすいので、水をかけると、すーと鉢底から抜けるような用土に植えます。必ず新しい用土を使って下さい。一般的には下記、図のように底に大粒の用土をを入れ上部に細かい用土を使います。しかし、鉢が浅い場合にはあまりこだわらなくてよいでしょう。球根の上下が分からない場合や、植木鉢が浅い場合には、球根を横に寝せて植えます。鷺草の根は、球根の上部から出ますので必ず1cmほど土をかけてください。ただ、深植すると病気になりやすいので注意します。また、生きた水苔を一緒に植えると夏場に温度が上がらなくて良いと言う意見もありますが私が試した限りでは生育に大差がありません。ただ、苔が張ったほうが用土が安定し見かけもきれいです。

管理 植付けの時期が2月以前の場合には、霜が当たらない軒下などあまり寒くならない場所におきます。植替えをしてないものは、凍結しても平気ですが、植え替えたものは、寒冷地では凍結させない方が無難です。鷺草の球根は乾燥に弱いので、芽が出るまで、1週間に1回は水をやります。3月下旬になると芽が出てきますので、朝から12時くらいまで、日があたる場所か、寒冷紗で30%くらい遮光した場所に置きます。水は、春と秋は毎日、夏は、朝晩2回。地上部が枯れる冬でも球根は生きているので1週間に1回程度は潅水し、乾燥させないようにします。湿地性の植物ですから本来は多湿を好むのですが、肥料をやっているときは、多湿は禁物です。過湿・多肥は根腐れの原因です。「乾燥を避けるために受け皿に水を入れて栽培します。」などと書かれている方もありますが、夏の暑いときに腰水栽培をすると、根腐れの危険性が高くなります。腰水栽培の場合は、水が腐れないように、水を入れ替える必要があります。朝やれば夕方にはなくなっているくらいの少量の水か、大きな容器にたっぷり水を入れ水の温度があまり上がらないような方法が良いでしょう。腰水栽培の場合は、水苔植えにし無肥料栽培が無難です。蘭科植物なので肥料はやらなくても良いですが、ハイポネックスの2000倍を2週間に1回くらいやるとしっかりと育ちます。水苔植えの場合には、水苔に栄養分があるので肥料を全くやらなくても問題ありません。球根を大きくするには植え込み時にマグアンプKを少量(普通の草花にやる場合の4分の1程度)用土に混ぜると良いでしょう。肥料のやりすぎは厳禁です。特に即効性の化成肥料はやらない方が無難です。
また、環境がよければ病害虫はあまりつきません。1ヶ月に1回程度スミチオンなどの接触剤とオルトランなどの浸透性殺虫剤を混合したもの(オルチオンという名前で販売されています)を散布します。私は、さぎ草には、殺菌剤はほとんど使いません。葉に黒い斑点が出た場合には、ベンレート水和剤やダイセン水和剤を散布します。が散布しなかったからといって枯れることはありません。また、茎の付け根から腐ることがありますが、いったん腐り始めると、タチガレン等の殺菌剤を散布してもあまり効果がないので、そういう株は、抜き取ります。肥料のやりすぎの場合が多いので、肥料を取り去り、やや乾燥気味に管理します。

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