アマリリスの栽培・育て方

球根は、大きいほうが花立ちが多いので同じ品種なら大きい球根を選びます。ルードヴィッヒ系などの大輪のアマリリスは、150〜200gぐらいの大きさにならないと花をつけませんが、リトルバリエガータ は、25gほどの大きさがあれば、花を付けます。
 
デビルスマイルと美パビリオの球根
他のアマリリスの球根と違って球根の上部が長いのが特徴です。
ガーデンアマリリスも上部が長くなっています。深植ができるので寒さに強い品種です。。

 アマリリスの球根は、大きい方が花数も多くなるので、なるべく大きな球根を選びます。また、手に持って重いもの、傷がないもの、軽く押して硬いものを選びます。
球根の保管
アマリリスの球根は、グラジオラスなどと違って、完全に乾燥させると、球根がしわしわになります。ユリ類ほどではありませんが、ある程度の湿度が必要です。
また、寒さに弱いので5℃以下になると球根が腐れる可能性が高くなります。
15℃以上の場所に置くと芽が伸びてしまいます。
穴あきのポリ袋に入れるか、ユリ類のように少し湿ったココピートと一緒に保管します
または、鉢に植え付けて、霜の当たらない軒下などで保管します。暖かくなって芽が少し出てきてから水をやります。低温期の潅水は、球根が腐れる原因になります。
鉢植えの場合には、11月になり最低温度が10℃を切るようになると潅水を止めます。ひと霜合わせて葉が枯れたら軒下など霜のあたらない場所で保管します。気温がマイナス3度以下になる場合には、室内に取り込みます。
場所 日当たりの良い場所に植えつけますが、夏場の直射日光は苦手です。夏場に直射日光に当てても枯れるほど弱ることはありません。品種によっては、半日陰でも花を咲かせます。寒さにやや弱いですが、関東以南の平野部で地植なら霜が当たって葉が枯れても球根は大丈夫です。私は、佐賀県の平野部に住んでいますが、一部の品種を除いて地植えしています。水はけのよいやや乾燥するところで3時くらいから日陰になるところが理想的な植え場所です。鉢植えの場合は、午前中日光が当たる場所に置き、冬場は、葉が枯れてから軒下など直接霜が当たらない場所に置き水を切ります。

水遣り

アマリリスは、比較的乾燥に強いので、地植えの場合はほとんど水をやる必要はありません。雨がほとんど降らず、葉が少ししおれたら水をたっぷりやります。
鉢植えの場合は、植えつけた後に水をやったあとは、葉がまだないので土はあまり乾きません。芽がでるまで日陰に置いて1週間1回ほど水をやります。葉が伸び始めたら日向に置き週に2〜3回ほど水をやり、梅雨明け後は、毎日水をやります。11月に入ったら、水をやる必要はありません。葉が枯れたら最低温度が5℃以上の場所に置きます。根を生かす場合には、月に1〜2回ほど晴れた日の午前中に水をやりますが、寒さで球根が腐れる可能性もあるので、12月以降は水を全くやらない方が無難です。。

植え付け

肥料





購入した最初の年は、葉が伸びる前に蕾が出てきます。
 

2年目の株は、葉がかなり伸びてから蕾が出てきます。


植替えは、3月下旬から4月中旬が適期です。アマリリスの球根の先端に葉が少し見え始めた頃です。新しく球根を買った場合には、桜の花が散って最低気温が10度を超える頃が良いでしょう。新しく球根を買う場合に、大きくずっしり重い球根が花が多く咲くます。また、なるべく太い根がある球根を選びます。普通の春植え球根と違ってアマリリスやネリネの球根の場合、根が生きている場合が多いので根が生きていれば初期成育が良くなります。4月に植え替えができなかった場合には、開花直後と、暑さが和らいだ9月下旬から10月上旬が適期です。根はなるべく切らないようにしますが、根なくても株が枯れることはありませんが、葉が枯れることがあるので、根が少ない場合には、葉も切って葉の数を減らします。
鉢植えの場合
用土は、赤玉土や鹿沼土にバーク堆肥を3割ほど混ぜた用土を使います。私は、鹿沼土1 ボラ土1 バーク堆肥orココピート1 の用土に植えつけています。アマリリスは、弱アルカリ性の用土を好むので、植えつける2週間ほど前に草木灰か消石灰を混ぜておく生育が良くなります。牛糞堆肥は、PHが7〜8のものを購入すれば、消石灰を入れる必要はありません。マグアンプKやエヌピーケーマグなどの緩効性の肥料と燐酸分の多い即効性の肥料を元肥として用土に混ぜ込みます。追肥は、必要ありません。
球根の半分が地表に出るくらいの浅植えにします。鉢の大きさは、大輪の特大球で8号 普通球で7号 小輪種の場合は、5号鉢に植えつけます。
鉢植えの場合は、1年おきにの4月の桜の花が散る頃に植え替えます。冬に水をやらなくても根は生きている場合は多いので、植え替えるときは、根を切らないようにします。寒さに弱い品種の場合、冬に水をやると球根が腐れますので、完全に乾かして葉が枯れた後は、暖房の入っていない室内か、物置などで保管します。葉がない状態なので日光に当てる必要はありません。

地植えの場合は、
スコップで30cm以上耕し腐葉土や堆肥を混ぜ込みます。私は、牛糞堆肥40Lを1uを鋤きこんでいます。球根から10cm以上離して、元肥に燐酸分の多い骨粉と鶏糞を入れます。アマリリスは、毎年植え替えないので長く効く燐酸分の多い肥料をやった方が球根が大きくなりますが、マグアンプKなどの肥料は値段が高いので地植えの場合は、骨粉が良いでしょう。肥料を入れなかったからといって花が咲かないことはありません。肥料が多いと根腐れの原因になりますので肥料をやり過ぎないようにしましょう。追肥は、花後と9月と翌年の3月の3回に鶏糞や油粕と骨粉の混合物を与えます。私は、年に1回は、ヨウリンやバッドグアノをやっています。
球根は、大輪種の場合、30〜40cm間隔で植えつけます。球根の頭が地表にすれすれぐらいの浅植えにします。球根が半分くらい見えるくらいの浅植えの場合は、夏場は球根の生育は良いのですが、寒さで球根が弱り花が咲きにくくなることがあります。地植えの場合は、3〜4年ごとに植え替えた方が生育が良くなります。

繁殖

 普通球根で増やします。アマリリスの球根はあまり増えません。3年で2倍くらいにしかなりません。3年に1回くらい植え替えをします。
店で買った根のない球根は花が終わって
から葉が伸びますが、2年目からは、葉がある程度伸びてから花が咲きます。
また、花が咲き終わったからといって葉を切ってはいけません。花後の光合成で球根が大きくなるので、葉は大事にしてください。
種を蒔くこともできますが、花が咲くまでに3年くらいかかると言われます。品種改良をする場合を除いて種を蒔くことはあまりありませんが、種を蒔けば、3年で50倍くらいに増やすことができます。ただ、種で育てたものは、親と同じ花が咲くとはかぎりませんが、親と似たような花は咲きます。

 病害虫

病害虫は、少ない方です。芽が出たら、オルトランなどの浸透性移行殺虫剤を1回散布すれば良いでしょう。 4月になれば、ナメクジにつぼみの付け根を食べられることがあります。ナメクジには、ナメクジ専用の駆除剤を使います。
また、花が終わった頃に葉の中に蛾の幼虫が入りこんで球根まで食害をする場合があります。
花後にもオルトランを1回散布します。後は、殺虫剤はほとんど必要ありません。
葉に班がでる病気が出ることはありますが、病気で枯れてしまうことはありません。病気が広がる場合には、マンネブダイセン水和剤やダコニールなどを散布します。
春にちじれた花が咲く場合があります。低温障害かウイルス病の可能性があります。球根の高さの半分くらいの土をかぶせ球根を深植えにします。翌年正常な花が咲けば低温障害です。葉に不規則な班が入る場合にはウイルス病の可能性が多いのでウイルス病のときは、球根を抜き捨て、球根が植わっていた場所は、用土を新しい土に入替えます。私は、フライパンで用土を1時間くらい焼いて消毒しています。

 花が咲いている鉢植えを買った場合  冬に花が咲いている鉢植えは、最低温度が10度以上の場所に置きなるべく直射日光に当てるようにします。温度が10度以下になると葉が枯れて休眠しますので球根が消耗して小さくなります。促成栽培されたアマリリスの球根は、来年の花が咲きにくいといわれます。
花を長く持たせるには、明るい日陰に置き、あまり動かさないようにします。鉢植えを動かすと、花粉が雌しべにつきやすくなり、花粉が雌しべに着くと種をつけるために花が早く枯れます。
5月〜6月に花が咲いている鉢植えの場合は、同じ品種なら葉が伸びているものを買います。葉が伸びているということは、根の生育も良いので球根が大きくなりやすいからです。葉が伸びているものといっても、日陰に置いてあって間延びしているものは、良くありません。鉢植えは、そのまま管理しても良いのですが、球根に比べ鉢が小さいものが多いので、5号鉢(15cm)以下の場合は、6号鉢か7号鉢に植え替えます。花を咲かせるには問題ありませんが、鉢が小さいと年々球根が小さくなってしまいます。ピートモスだけの用土に植わっているものが多いので、花が終わったら根を痛めないようにピートモスを落とし、鹿沼土に堆肥を3割ほど混ぜた用土に石灰を少し混ぜた用土に植え替えます。
地植えする場合には、根と根の間に用土を入れ込むのが難しいので、土を落とさないでそのまま植えつけます。


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