盆栽とは、                                                                                                 なおの趣味の園芸
理想的な自然美を鉢の中で創作したものです。
単に黒松を植木鉢に植えただけでは盆栽と言えません。盆栽にはいろんな決まりがあります。
良い盆栽とは、一幹・二枝・三根張りといいます。最初に幹を見て、次に枝、根張りを見るということです。幹は若木の細い幹なら、針金で修正ができますが、太くなると修正が難しくなります。枝や根張りの場合は,接木によって自分の欲しいところに枝や根を作ることができます。
T.幹筋が良いこと
根元が太く、上に行くにしたがってだんだん細くなり、芯が樹上まであること。幹のこけ順が良いと言います.。幹は太いに越したことはないのですが、電柱みたいな物はよくありません。
.幹に模様があるものは、下ほど大きく上に行くにしたがってだんだん小さい模様になっているもの
横から見た場合、頭の部分は、正面よりにあること
.幹の断面が円形に近いこと。
.幹の肌が荒れているもの。幹が荒れているとは、黒松など樹皮がはぜて、古さが出ているもので幹に傷があるものと言うのではありません。時代が乗るとも言います。特に、細幹の文人盆栽は、幹に時代が乗っていないと趣がでません。
幹に傷がないもの。松柏類では、枝をジンにしたり幹にシャリをいれたりしますが、雑木特に落葉樹は、冬場は葉がなくなるのでごまかしが利きません。幹に傷が無い物が無難です。
良い幹の例

直幹の幹
根元が太く上に行くほど細くなっている。

模様木の幹(枝は省略)
上にいくほど幹模様が小さくなっている
悪い幹の例
幹模様が単調

皐月などでよく見かける樹形です。幹が細い場合は、針金や、ジャッキなどで幹を修正するか、線の位置で切断し、小品盆栽に仕立て直します。
たけのこ型

樹高に対して根元が太すぎる。中間の枝を伸ばして、中間の幹を太らします。
幹にこぶがある

車枝になっているところは、枝を抜くとこぶ状になっているので、こういう素材は避ける。一旦、こぶ状になると修正は難しい。こぶのところで取木をし、仕立て直すしかない
途中で芯二股になっている

蛙又
蛙のまたのように幹がなっている場合は、幹を傾けて植えなおす。
芯折れ

途中で芯がなくなっているものは、針金等で芯を立て替えます。
U.枝が良いこと
1.忌み枝がない(少ない)こと
2.素材の場合は、枝数が多いこと。枝数が多いと、樹形の構想がやりやすい。
3.懐の枝が枯れていないこと。
4.幹に対して細すぎたり太すぎたりしないこと。枝はだんだん太くなるので、やや細めの方が良い
V.根張り&立ち上がりが良いこと
1.根が四方八方に張っていて大地をしっかりつかんでいるもの
2.懸崖の場合は、幹の反対側に大きな根があるもの

理想的な根張り
根が、四方八方に張っていること

正面に根が1本走っている。正面を少し右か左にずらす。

交差根
根が交差している。針金で直せるものは直し、できない場合は、どちらか一方を切り取る。

片根張り
幹の片方にしか根張りがないもの
右側に根を接ぐか赤線のところで取木をする。樹が若い場合には、根の欲しいところを彫刻刀でえぐり、発根剤を塗っておくと根が出てくることもある。



根張りは良いが立ち上がりが悪い例
根張りのすぐ上の幹が細くなっている。黒松・錦松に多く見られる。

 

以上は、盆栽の基本的なものです。名品と呼ばれるものには、上記の記事に該当しないものも数多くあります。それは、その盆栽の長所が欠点を上まわっているからです。多少の欠点のある木でも100年以上栽培すれば、それなりの「風格」や「すごみ」や「わび」などが出てきます。

1番大事なことは、自分が気に入った盆栽であること。
盆栽は、毎日水をやったり剪定をしたり手入れをしなければいけません。気に入らないからとか、飽きてしまったからと言って押入れ中に仕舞い込んでおく訳には行きません。商売にしてるならともかく、趣味で盆栽を育ているのなら、自分が気に入った盆栽であるこが1番大事ではないでしょうか。
 また、若い人の場合育てる時間がありますから、多少欠点のある木でも、枝を接いだり根張りを修正したり、芯を立て替えたり手を入れ年月をかければ、すばらしい盆栽になる場合もあります。

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