盆栽の植え替え
基本
盆栽は、鉢に植わっているので、根が鉢内に張り詰め水を通さないようになります。それで、1〜5年に1回盆栽を鉢から抜き、土を落とし、根を切って植替えをしなければなりません。まず植え替える前に枝の剪定をします。特に常緑樹の場合には、葉から水が蒸散しますので、根切り詰めると水の吸い上げ弱るので、概ね葉の量を植替え前の半分くらいに減らします。樹形の関係などで、葉を落とせないときには植え替えた後、1週間くらい日陰に置き、次の1週間くらい半日陰に置いて盆栽を保護します。
基本的には、用土の半分を落とし、根の3分の1を切るです。松柏類以外は、全部土を落としてもかまいません。実物の場合は木に力を付けるため土をすべて落として植え替えることもあります。この場合には、根を水洗いし、メネデール100倍液に1時間くらい漬けておくと
回復が早くなります。松柏類では、土を全部落とすと樹勢が弱くなります。毎回周辺部の土のみ落として植え替えると鉢の中心部の用土が固くなり水が通らなくなります。そこで、鉢の中心部の用土の3分の1を落とします。3回の植替えで鉢の中心部の土が入れ替わるようにします。
また、根張りの修正も植替え時でないとできません。苗木の場合には根さばきで根をきれいに捌いておかないと逆根の原因にもなります。

 


鉢から盆樹を抜くとき内縁の鉢は抜けにくいので、植替え用の鎌などで周囲に切込みを入れ鉢を抜きます。無理をすると鉢を割ってしまう場合があります。また、用土を入れる場合には、箸など突付きながら隙間がないように入れます。根が混んでいると隙間ができやすいので特に丁寧にします。言うまでもありませんが、用土は必ず新しいものを使ってください。
植替え時期は、、芽が出る1週間まえが1番良いといわれます。普通2月下旬から3月中旬になります。早春以外の植替えの時期は、皐月や梔子は、6月中下旬の梅雨どき、五葉松の8月中旬、梅・木瓜などバラ科の植物は、根頭癌腫病予防のため10月に植え替えます。

  松柏類 紅葉物 実物
  若木 老木 若木 老木 若木 老木
植替え間隔 2〜3年に1回 4〜5年に1回 1〜2年に1回 2〜3年に1回 毎年 1〜2年に1回
用土 砂・赤玉土 赤玉土・鹿沼土・ぼら土など 赤玉土・鹿沼土・ぼら土など
用土の粒の大きさ 小さい やや大
             

植替え後の管理
落葉樹の場合、2月下旬から3月中旬に植え替える場合は、寒さに弱い樹種以外は特別に保護する必要はありません。6月に皐月や梔子などを植え替える場合は、葉も相当に切り込む必要があります。葉をあまり切り込みたくない場合は、1週間くらい日陰に置いて徐々に日光にならしてください。また、すぐに暑くなるので、用土を全部落とす植替えはしないほうがいいでしょう。


木を植え付ける位置は、鉢の中央をはずし、手前を広くして植え付けます。

右横より見た図
頭は、正面よりになるようにします。頭が、後ろに逃げている場合には、針金等で修正します。
   

畑上げ素材の植替え
盆栽の素材を太らせるため、畑で栽培し、鉢上げする場合の植替えは、通常の植替えとかなり違います。ます、松柏類を含め、すべての根に付いている土を落とし水洗いします。畑に植えられている素材は、樹に力がありますので、無理が利きます。根を洗うのは水道のホースで、水をかけたり、バケツに水を入れて樹をゆすりながら土を落とします。根をブラシ等で擦ってはいけません。根を洗ったら、逆根や、上根などの整理をします。根の切り込みはかなり強くできるので、根張りの悪い場合は通常の植替えの半分までくらい切込みができます。根張りが良い場合や、挿木のできない樹種の場合には、通常の植替えより、強めに根を切る程度にとどめます。用土は通常の植替えより粗めの土を使います。新芽が伸びても、根は出ていない場合が多いので、肥料は9月までやらない方が無難です。

 

 

 

 

 

 

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