寄せ植え
一鉢の中に数本の木を配置よく植え、森や林や並木などの風景を表したものです。普通一種類の樹木で構成します。本数が少ないときには、5・7・9・11のように奇数にします。

@苗木の準備
寄植えに使う苗木は、挿木苗より実生苗が適します。これは、寄植えに使う苗は、実生苗だと、苗の性質の違いで、生育の良い苗を主木にし、成育が悪い苗を跳ね出しなどにつかい寄植えのバランスが維持しやすいからです。
まず、苗の中から枝順や根張り幹筋など良い苗を取り除き、残った片根苗や片枝など1本木では使いにくい苗を寄植えの材料にします。寄植えで大事なのは全体のバランスで1本の木の良さではありません。ただ、極端に幹が曲がりくねったものなど、他の木と違和感ある苗は取り除きます。20本の木で寄植えを作ろうと思う場合は、30〜40本くらいの苗を準備します。そうしないとなかなか思うような苗が見つからず構成に苦労します。
まず、発砲スチロールの魚箱や育苗箱などに用土を入れ種を蒔きます。2年間その箱で育て、2月下旬〜3月上旬に苗を3本ずつビニルポットなどに植えます。根は可能な限り短く切り詰めておきます。大きい苗ばかり3割、小さい苗ばかり3割、大小混ぜて4割、くらいの割合で植え、根元は比較的近づけ植えます。そして翌年、いよいよ寄植えの製作に取り掛かります。

yoseue1.gif (4981 バイト) 浅い楕円の鉢を準備し、鉢底に針金を這わせ、苗木を固定する針金を取り付ける。鉢に用土を半分くらい入れる。浅い鉢なのでごろ土は入れる必要はない。
yoseue3.gif (5010 バイト) 苗木の枝を適当に剪定し、ビニルポットより苗を抜き、根を包丁などで切る。根があまり多くないので用土は落とさないほうが苗の安定がよい。
yoseue5.gif (4364 バイト) まず苗の中で一番太くて丈の高い物を主木に決め、鉢全体の6対4の位置に主木を配置します。次に周りの木を植えていきます。正面から見てなるべく幹と幹が重ならないように配置します。特に主木が正面から見て隠れないようにします。3本ずつ植えるのは、配置が比較的とりやすいためで、必ず3本一組にしなければいけないわけではありません。
yoseue2.gif (4643 バイト) 21本植えた場合の配置例
yoseue4.gif (3629 バイト) 真中に道がある風景の苗木の配置の例

 

山槭の寄席植

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寄席植用の苗木 
実生4年
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長く伸び過ぎているている枝を剪定する。
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根を切り落とす。
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本来は、平鉢に植えるが、今回は適当な鉢がなかったので、育苗箱に植えることにした。苗を固定するための針金を通しておく。
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用土を4分の1くらい入れる。(大豆粒ぐらいの大きさ)
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まず、主木を配置する。

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左右に配置
なるべく枝が重なったり交差したりしないようにします。
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左から3本目の木の傾き修正
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全部で、16本寄席植で完成。普通は、奇数にしますが、10本超えれば偶数でも問題はありません。全部の配置が終わったら、箸などで用土を丁寧にすきこみます。用土の大きさは、米粒くらいが良いでしょう。
6月下旬くらいなって根が付いたら、幹の傾きなどの微調整をします。
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斜め植から見た写真
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あまった素材を寄席植したもの

 

 

 

松竹梅の寄席植

 

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