五葉松
松柏類の女王といわれる。五葉松は、黒松に比べ葉が短く、短葉のための芽切も必要がなく、管理が楽です。私が一番好きな樹種です。
五葉松は、葉性・芽性が大事です。これが悪いと何年つくっても木にしまりがなく良い盆栽になりません。葉性・芽性が悪い木は、八房種に枝を接ぎ変える方法があります。初心者には、難しいので、葉性や芽性がよい八房種を買うことを勧めます。。私の場合は黒松は5割くらい活着するのに五葉松は3割程度しか活着しません。(プロの方は、100%近く活着するそうです。)

置き場所 一日中日が当たる風通しの良い場所
潅水 他の樹種より乾燥に耐えますが、排水の良い用土に植えやや少なめに潅水します。黒松に比べると根が弱いので多潅水は避けます。
用土 関東では、赤玉土。関西では砂に植えられている場合が多い。植え替える場合は、今まで植わっている土と同じ種類の土を使う。私は、赤玉土と砂とボラ土を1:1:1の割合で使っている
繁殖 接木・実生・取木・挿し木 取木と挿し木は瑞祥を除いて難しい。品種物はほとんど接木、四国産の吾妻五葉などの産地物は実生が主体。黒松に接がれたものは、生育は良いが、接後が目立つので五葉松に接がれたものを購入する。
剪定  枝を切る場合は必ず芽のあるところで切ります。黒松みたいに芽きりをすればまず芽は吹かないので、地植で生育が過剰な場合を除いて芽切りはしてはいけません。

年間の作業

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    植替 芽摘       剪定   古葉取    
    肥料   肥料   肥料   肥料   肥料   肥料  
              針金掛け     針金掛け  
    接木     挿木   接木  
     
     

五葉松の産地

四国 四国の赤石山のものが盆栽には、最適といわれます。
那須 那須の立性といわれ葉性の良いものが多い。
吾妻 葉性,肌性が良い物が多いと言われる。


五葉松の主な品種

品種名

特                 徴

瑞祥 八房五葉松の代表的な品種。昭和になって作出された品種。樹齢10年程から急速に太りだす。八房の品種なのに芽が伸びやすい特徴がある。葉の長さは普通の五葉松の3分の1くらい。繁殖は挿し木や取り木ができる。
九重 八房五葉松の代表的な品種。那須五葉のの系統だといわれる。昭和になって作出された品種。瑞祥より、葉の色が濃い。幹は太りやすいが、樹芯が強くごつくなりやすい。繁殖は、ほとんどが接木
宮島五葉 江戸時代からある品種。「銀八」ともいわれ、腰の強く銀がはっきりした葉性をしている。庭木用として盛んに作られるため、黒松の台木に接いだものが多い。繁殖は接木のみ。五葉松の中では強健で育てやすい。盆栽とするには、五葉松の台木に元接されたものが良いが、そう言う素材はあまり見かけない。黒松の台木に元接ぎされたものは、年数が経つにしたがって目立たなくなる。高接ぎされた苗木を入手し、黒松の台木のところで取り木をすれば、理想的だが、取り木の成功率は、あまり高くない。
 






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