ぎぼうしの栽培                           なおの趣味の園芸
ギボウシは、日本に自生する植物ですので、栽培は容易です。日向から日陰まで栽培環境は広いですが、半日陰において水をやや多めにやるのがポイントです。
  苗を買ったら
 一般的にギボウシの苗はポリポットに植えて販売されています。ポリポットは、小さめのものに植えられている場合が多いので、一回り大きな鉢に植え替えます。根鉢を崩さないようにすれば、いつ植え替えてもかまいません。
葉が枯れた冬季に植え替える場合には、下記の「植替え」の項目を参照してください。
用土は、なるべく元々植わっている土と同じ種類の用土にします。一般的には、赤玉土7に腐葉土3の割合の標準的な用土で構いませんが、たまに鹿沼土や軽石系の用土に植わっている場合がありますので、土にの色が黄色や白っぽい色だったら鹿沼土を主体にした用土に植え替えます。
植木鉢は、プラ鉢で構いません。素焼き鉢は乾きすぎるので使わない方が無難です。
園芸店等で日陰に長く置かれた苗を直射日光にあてると、日向に強い品種でも葉やけをおこすので、最初の年は、3050%ほど遮光した場所に置きましょう。
 鉢植えの置き場所
 
午前中日光の当たるところか、半日陰の場所に置きます。地植えの場合は、直射光線にも耐えますが、鉢植えの場合や斑入りの品種は、30%ほど遮光するのが理想的です。日陰にも結構耐えますので、葉を鑑賞するのであれば日光が当たらなくても栽培できます。冬は、外に出して充分寒さにあわせてください。冬の寒さにあわせないと芽吹きが悪くなりきれいな新芽が出にくくなります。肥料は油粕の玉肥など与えます。植え替えるときマグアンプKを用土に混ぜておいて、追肥にハイポネックスを与えるのも良いでしょう。
 庭植え
ギボウシは、日本原産の植物ですので、特別な手入れをしなくても庭植えで大きくなります。植える間隔は、葉の長さの2倍の間隔で植え付けます。肥料はあまり必要ありませんが、植える場所に樹皮堆肥や腐葉土などを、すき込んでおくと後の生育がよくなります。植える場所は、午前中日光が当り、午後から日陰になる場所が理想的です。あまり日光が強いと日焼けを起こす場合がありますが、結構適応力が広い植物です。肥料は、やりすぎるより少な目が良いのでしょう。普通の草花の半分くらいで、油粕に骨粉を混ぜた肥料を3月・5月・9月の3回ほど与えます。。
 水遣り
比較的水が好きな植物ですので、普通の植物よりやや多めにやります。
地植えの場合でも雨が降らない場合には、週に2回ほど水をやりましょう。夏場に1週間雨が降らない場合には、かなり乾燥するので、水をかけないとかなり衰弱する場合があります。
葉がない冬場には、鉢植えで1週間に1回、地植えの場合は、月に12回ほど灌水します。

病害虫
環境がよければ病気は殆ど出ません。褐班病みたいなものがでたら、マンネブダイセンを散布します。
害虫は、何の虫だか分かりませんが、新芽が出始めたころ23日で葉を食べ尽くす場合があります。 月に1回ほど、オルチオンなどの薬剤を散布します。粒状のオルトランを散布するのも効果があります。

斑入りの品種で班がない葉が出る場合があります。俗に先祖帰りといいます。班のない葉の株は、早めに取り去ります。
そうしないと、数年後に斑入りの株が、全部斑抜けになる場合があります。

 
 植替え・株分け
植替えや株分けは、葉が枯れた時期に行います。11月から2月までが適期です。一番良いのは、2月中旬です。1年で1.53倍に増えます。品種によって手で離れるものと、鋏を入れないと離れないものがあります。鋏を入れたものは切口から腐りやすいので切口に石灰を塗っておきます。
gibousi-uekae11010138.JPG (360980 バイト) 葉が枯れたらスコップなどで株を掘りあげます。葉の長さの1.5〜2倍くらいの直径になるようにし、堀上げたら箸などで丁寧に土を落とします。
写真の品種は、長大銀ギボウシを庭に植えて4年たった株です。株の直径は、約50cmほどあります。
gibousi-uekae1010139.jpg (225912 バイト) 土をある程度取り除いたら、水道水を勢いよく水を吹きかけ土を落とします。
土が落ちたら、剪定はさみや包丁などで株を 切り取ります。
gibousi-uekae1010141.jpg (307814 バイト) 株分けした後の状態です。もっと小さく分けることはできますが、あまり小さく分けると、生育が悪くなる場合があるので、2〜3芽あり、根が10本以上あるくらいに切り分けます。
切り口から腐れる場合があるので切り口に石灰か草木灰を塗っておきます。 
gibousi-bulediamond-ne2.jpg (51947 バイト)  株分け後の苗の状態です。写真の品種はブルーダイアモンドです。大きな芽が一つと、小さな芽が二つある状態が標準的な株分け後の大きさです。
 鉢植えにする場合
用土は、赤玉土7に腐葉土3の割合が標準的ですがあまりこだわることはありません。鹿沼土でもボラ土でもかまいません。腐葉土の代わりにピートモスや樹皮堆肥を入れても良いものです。樹皮堆肥を混ぜる場合には、PHが6くらいに物してください。バーク堆肥として売られているものの中には、石灰が入っていてPH7のものがあります。野菜を栽培するには良いのですが、ギボウシを栽培するのには向きません。私は、ぼら土1と樹皮堆肥1の割合の用土を主に使っています。
植え替えの最大のポイントは、根と根の間に隙間ができないように根を広げて植えることです。特に大株を植え替える場合には、根と根の間に土が入りにくいので、箸などでつついて株の下の方に隙間(空間)ができないようにします
鉢植えの場合の植え替えは、1〜2年に1回くらいします。小さな鉢で育てるより、大き目の鉢で大株に育てた方が見ごたえがあります。
植替えが終わったらたっぷり水をかけます。植え替え後は、なるべく霜が当たらない場所におきます。寒さで枯れることはありませんが、小さな品種は、霜柱で株が浮きあげる場合があるので注意します。

地植えにする場合
庭などに植える場合には、できれば午後から日陰になるような場所に植えます。植える場所が決まれば、スコップ一杯ほどの樹皮堆肥をと植える場所の用土をよく混ぜます。根と根の間や株の下の方に隙間ができないように植え付け、植えつけた後に上から株元を押しつけます。押し付けることによって株の下方の隙間がなくなります。
場合によっては、いったんポリポット等に植え付けて6月くらいなってから地植えした方が生育がよい場合があります。
   
種まき

  ギボウシは、種で増やすこともできます。交配をしても種がつきにくものが多く、種を確保するのに苦労します。
写真の品種は、フランシスウイリアムズです。この品種は、種が出来やすい品種です。
オシベの花粉をメシベの柱頭に付けます。なるべく朝の10時くらいまでに交配をします。鞘が黄色くなってくるので、鞘が裂ける前に採取します。種を鞘から出して日陰で乾燥させ春まで保管します 
   3月下旬 ぎぼうしの種まき

種まきの適期は、3月下旬の桜の花が咲く頃です。普通の草花の種を蒔く要領で結構です。
発芽まで2〜4週間くらいかかります。 
用土は、鹿沼土1 ボラ土1 樹皮堆肥1の割合を使っている。面倒なので篩いを使っていないが、表面の土は小さい方が良い。用土には、マグアンプKを標準の半分くらい入れています。普通の草花と違って、秋まで植え替えないので厚蒔きにならないように注意します。
 5月中旬
2枚目の葉がでる。ギボウシは単子葉植物なので双葉はでません
肥料は、ハイポネックスの1000倍液を2週間に1回くらい与えます。
7月中旬
この頃になると、だいぶギボウシらしくなります。
普通の草花に比べると生育はゆっくりだ。
肥料は、油粕の発酵したペレット状玉肥を10粒ほど与えます。
 
 翌年の4月
一人前の大きさになったように見えるが、この品種はフランシスウィリアムズの種を蒔いたので、まだまだ大きくなります。開花までは3〜5年くらいかかるでしょう。
 
7月中旬の1年前の苗との大きさの比較。
1年でかなり大きくなります。ギボウシは、6月以降はあまり大きくなりませんが、実生苗は、7月でも大きくなります。 
  フランシスウィリアムズの実生苗の待望の斑入り出現。
まだ、小さい苗なのでどうなるか分かりませんが、1枚は白いはっきりとした中班が入っています。気になるのは、それより新しい葉に班が全く入っていないことです。
来年の芽出しが楽しみな苗です。 

 

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